平安装束って、どうやって着替えるの…?→まさかのテクニックに衝撃「脱ぐのは本当に一瞬…」詳しく聞いてみた

    平安貴族の装束って、たくさんの着物を重ねていて雅ですよね。装束愛好家として活動している千装千束さん(@chigirachizuka)が、平安装束を一人で楽々着替える動画が話題です。

    きらびやかなイメージがある平安時代。貴族たちが着ていた平安装束はとても雅びですが、重ね着も多く一人で着替えている姿が想像しにくいですよね。

    そんな平安装束を一人で楽々着替える姿が話題です。

    3月15日、X(旧Twitter)で装束愛好家として活動している千装千束さん(@chigirachizuka)が、実際に平安装束に着替える様子が収められた動画を投稿。動画は130万回以上再生され、1.3万件を超える「いいね」が集まりました。

    「人に着せてもらうもの! っていうイメージがあるかと思いますが、自分で着られます!」

    衣冠や直衣、狩衣は人に着せてもらうもの!っていうイメージがあるかと思いますが、自分で着られます!

    じゃないと、道長とまひろのような密会の後に帰れないじゃないですか。
    慣れちゃえば10分掛からずに着れちゃいます!狩衣はもっと簡単です! pic.twitter.com/rsVUlt1Bsb

    — 千装千束@BOOTH通販中 (@chigirachizuka) March 14, 2024
    Twitter: @chigirachizuka

    投稿された動画には、顔にお面をつけた千装千束さんが平安装束に着替える姿が映っています。動画の長さはわずか53秒ほどですが、実際の着替えを早送りに編集しており、手順がわかりやすいですね!

    下に来ている白い着物の状態からスタートし、朱色の着物や紫の袴など、手際よく重ね着しています。

    千装千束さんは、今年放送されている平安時代が舞台のNHK大河ドラマ『光る君へ』で主人公・まひろ(吉高由里子さん)と藤原道長(柄本佑さん)の密会シーンについて触れつつ、次のようにコメントしました。

    「衣冠(いかん)や直衣(のうし)、狩衣(かりぎぬ)は人に着せてもらうもの! っていうイメージがあるかと思いますが、自分で着られます!」

    「じゃないと、道長とまひろのような密会の後に帰れないじゃないですか。慣れちゃえば10分掛からずに着れちゃいます! 狩衣はもっと簡単です!」

    練習すれば浴衣や着物の着付けなどと同様に、このように迷いなくできるようになるのかもしれませんね……!

    まずは白い着物の状態からスタート

    和室にいる人物が白い着物を着て、顔には伝統的な紙のお面をかぶっています。

    足元に袴を準備して位置を合わせたら……

    部屋に畳と掛け軸があり、伝統的な衣装を着た人が布を折っている。

    上から朱色の着物を重ね着

    衣装を着た人が、和室でポーズをとっています。頭には三角形の帽子をかぶり、大きなオレンジ色の布で腕を広げています。

    袴を上げて

    着物を着る人、鬼の面をかぶり、背景には日本の伝統的な飾りがあります。

    さらに上から大きめの白い着物を羽織って

    人が伝統的な能楽の衣装と能面を着用している。

    整えて……

    伝統的な装束を着た能楽の演者が舞台に立っている。

    完成!

    伝統的な装束を身にまとった能楽の演者が、和室で背後から撮影されています。

    詳細が気になったので、BuzzFeedは千装千束さんに話を伺いました。

    ーーこの動画を撮影した日時を教えてください。 

    「この動画自体は2020年の5月に撮影したものです。一度Twitter(現X)に投稿したものを、再投稿したものになります」


    ーー鮮やかな手際です! 投稿によると10分ほどで着替えられるとのことですが、脱ぐ場合も同じくらいの時間を要するのでしょうか? 

    「投稿したあとに思い出したのですが、実際は7分ほどで着ていました」

    「脱ぐのは本当に一瞬で、計四つの結び目を解けばするりと脱げてしまいます。時間にすると30秒とかその程度でしょうか」


    ーーたくさんのアイテムを重ね着していらっしゃいますが、順番に何を着ているのか教えていただけますか? 

    「一番最初に着ているのは小袖(こそで)と頭に烏帽子(えぼし)を被っています。お面は顔を隠す為なので気にしないでください」

    「そこに紫色の指貫袴(さしぬきはかま)という袴を履き、朱色の単(ひとえ)を着ています。 一番上には体より大きい直衣(のうし)の袍(ほう)を着て、丈や幅を自分の体に合わせて調整するように着ていきます」


    ーートイレの時などは、さっと袴だけ下ろすのでしょうか? 一度下ろしてまた履く場合、かなり大変そうに見えますが、どれくらいの手間なのですか? 

    「実は袴にはトイレをする用の穴が空いていて、小便は着たままでも出来ます」

    「実際には万が一にも汚したくないので、基本的には全部脱いでからトイレに行きます」

    「大便をするときは流石に全部脱がないと出来ないのですが、平安時代の人がどうしていたのかは気になりますね」


    ーー千装千束さんは、どれくらいの頻度で平安装束を着ているのですか? 

    「趣味としては、月に数回から年に数回程度の頻度です」

    「たまに同じ趣味のメンバーで集まり、昔の儀式や物語の場面を再現したりしています」


    ーー日頃の活動や平安装束にハマったきっかけなども教えていただけますか?

    「実は高校生まではどちらかといえば理系だったのですが、幼少期から日本文化が身近にある家庭に育ったので自然と日本文化が好きになり、その日本の文化が花開く平安時代に一番の興味を持ち平安装束を着るようになりました」

    「2020年にはクラウドファンディングにて目標金額の577%を達成し『平安装束入門抄』という平安装束入門書を発行しました。現在も紙書籍版に加え、DL版も頒布しています」

    「『平安装束を見て着て触れて楽しむ』をモットーにイベントを開催しており、これまでに三重県のさいくう平安の杜や愛知県の名古屋城、最近では京都府の宇治市源氏物語ミュージアムなどで平安装束を用いたイベントを行いました。 今後も様々なイベントを企画していく予定です」


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