男性の育休取得「良かった」が9割越え。残された課題はーー?
「男性社員の1ヵ月以上の育児休業完全取得」を目指す積水ハウスが、育休取得者にアンケートを実施した。
3歳未満の子どもがいるすべての男性社員に育休を
積水ハウス株式会社は、男性社員の育児休業完全取得を目指し、2018年9月より「イクメン休業」と呼ばれる制度を開始した。
イクメン休業とは、3歳未満の子どもがいるすべての男性社員を対象とし、子どもが3歳になる前日までに1ヵ月以上の育休を取得するもの。最初の1ヵ月は有給で、分割して取得することもできる。

制度開始から1年が経ち、対象者1567名のうち1113名の男性社員が育休を取得。すでに取得を完了した男性社員は582名に上る。
積水ハウスは、育休取得を完了した社員とその配偶者にアンケートを実施した。
9割以上が、育休制度は「良かった」

「良かった」「まあ良かった」と答えた人の合計が、育休を取得した男性社員は95.8%、配偶者は93.8%。ともに9割を超えた。
「良くなかった」と答えた配偶者は「中途半端に終わった」
配偶者が育休制度を「良くなかった」「あまり良くなかった」と評価した理由として上位に上がったのは次の通り。
1位:休業中も仕事に追われ、結局中途半端に終わった
2位:長期で休まれるより、毎日遅出・早帰りしてくれるほうがいい
3位:休業前後の残業や休日出勤が多くなり、逆に自分に負担がかかった
1ヵ月の休業については半数以上が「ちょうど良かった」

育休の機関としては、過半数が「1ヵ月」を妥当として評価。
ただし「短かった」と評価する割合が、男性社員では1割未満なのに対し、配偶者は3割に上る。
「短かった」と答えた人の多くが「3ヵ月」を希望

少数ながら6ヵ月以上の育休を求める声もある。
男性育休制度により、職場の風土が変わってきたと評価

職場でのコミュニケーションが休業前に比べて取りやすくなった、と答えた社員は5割に上った。
「育休にこだわらなくてもいい」それぞれに合った子育て支援を
積水ハウス代表取締役社長の仲井嘉浩氏は、イクメン休業の効果について「上司や部下、同僚とのコミュニケーションが深まり、女性の育休取得に対する理解も深まる」とし、職場環境にプラスの影響をもたらすと評価した。
また「育休にこだわらなくてもいい。時短(勤務)を推し進める方法もある。積水ハウスの子会社でも、男性育休の完全取得ができないところもありますし。業種、業態、規模に合ったそれぞれのやり方を探すのがベストでは」とコメントした。