セーラー服の襟が話題です。
制服一筋に生きる会社「明石スクールユニフォームカンパニー」さん(@akashi_suc)が、地域によって違うセーラー服の襟の形の傾向をイラストにまとめてTwitterに投稿したところ、1万5千回以上リツイートされ、5万を超える「いいね」が集まりました。
「面白いですね、こういうところに着目したことがなかった!」「どおりで、涼宮ハルヒの制服の襟が長かったのか」と大きな反響が寄せられました。
話題のセーラー服の襟

4つの地域で見られる、セーラ服の襟の形の違いをイラストにまとめています。
確かに違う! それぞれどんな特徴があるのか、1つずつ詳しく見ていきましょう。
関東襟

関西襟

札幌襟

名古屋襟

襟の幅や、ラインが曲線か直線かという細かい違いだけど、それだけで個性が出ていて、それぞれ違った印象に見えます!
BuzzFeedは、投稿者さんにお話を聞きました。
ーーいつ頃、セーラー服のパターンが地域によって傾向があると気づいたんですか?
実は、ネット上で「セーラー襟には地域差がある」という話を目にしたのが最初です。
社内でも公にそうした話がされてはいるわけではなかったのですが、商品管理や商品開発の担当者たちに聞くと「統計を取ったことはないが、襟の大きさに特徴が付くのは知っている」とのことでしたので、今回のツイートに至りました。
ーーセーラー服の襟の形の違いをイラストにして、Twitterに投稿した経緯を教えてください。
セーラー服と一言に言っても、様々な種類があるということを以前知って、いつか発信したいなと思っていました。
(セーラー服は)襟の形・色、ラインの種類、首元の深さ、胸当ての有無、袖口の形状などなど、ブレザーや詰襟学生服など他の制服と比べてもバリエーションが多いです。
知れば知るほど深くて、ずっと変わっていないと思われがちな制服ですが、実は様々な文化や歴史背景の影響を受けてきたものだなと感じています。
ーー確かに、制服って奥が深いですね。イラストを見て気になっていたのですが、関東と関西は大きな括りで傾向がありますが、なぜ名古屋と札幌はその土地限定のパターンが確立されているのでしょうか?
あくまで推測ですが、札幌は寒い地域なのでセーラー服の中にブラウスやポロシャツを着ていたりしたのかもしれません。その場合、胸当てがあると邪魔になるので胸当てがない仕様が生まれたのかもしれないです。
セーラー服は、洋品店で作っていた型が元なんですが、それより昔のセーラー服が日本に入ってきた大正時代は、自宅でお母さん方が縫っていたという背景があります。
型紙は学校から配られ、デザインも大方は決まっていたと思いますが、ディテールは各家庭によって異なっていたものと思います。
またそうした時代にセーラー服を制定する学校(=ハイカラ、偏差値が高い、私立…)は、きっとみんなの憧れだったと思います。その学校への憧れから、最初に定着したデザイン(襟の形など)が、その地域の別の学校へ伝播していき、「地域ごとの襟の形」として定着したのかもしれません。
ーー昔の影響が残っているのかもしれないんですね。おもしろい。イラストの地域以外で、特徴的なセーラー服ってありますか?
名古屋襟も結構深めな襟の形ですが、それよりもさらに深い襟のセーラー服もあります。セーラー服の着丈(裾)くらいまで襟のV字が深いです。
セーラー服のラインの色も白以外に、赤や緑など様々な色がありますが、夜道を帰宅する際にも安心な反射材になっているラインもあります。
ーーそんなにバリエーションがあったなんて、知らなかったです。ちなみに、イラストの中のセーラー服のパターンのうち、特に人気な形はどれですか?
いただいた反響を見ている限りでは、人気のアニメキャラクターが着用している制服とデザインが似ているということで名古屋襟の人気がある気がします。
ただ、襟が丸みを帯びている札幌襟や関東襟もカワイイと言われていますし、オーソドックスな形の関西襟を着てみたいという声もあります!
ーー今回、投稿に寄せられた反響を、どのように受け止めていますか?
みなさんからの反響の大きさに驚いています。
制服は、基本的に自分の住む地域のものしか実際に見る機会がないため、「当たり前だと思っていた襟の形にこんなにバリエーションがあるのか」という反応や、ご自身の学生時代に着ていた制服と比べて懐かしむ声も聞かれます。
私たちの社内では当たり前のことも、実はこんなに反応をいただけるものなんだと、今後も制服豆知識のような情報を共有していけたらと思います。