地下30メートルの坑道に落下した男性 ヘビを撃退しながら救助を待った3日間

    「ジョンはタフな奴です」と知人はBuzzFeed Newsに話している。

    10月15日、アリゾナの男性が、深さ約30メートルの垂直に掘り下げた坑道に落下し、17日まで閉じ込められた。心配した知人が現場を見に行ったところ、助けを呼ぶ声が聞こえて発見された。

    ジョン・ワッデルさん(62)は、マリコパ郡の坑道で脱水し骨折した状態で発見された。

    救出されるまでの間に、ガラガラヘビに遭遇し、3匹も殺さなければならなかったと語る。

    「ジョンはタフな奴です」とジョンさんの友人マイク・バロウスキーさん(67)は話している。バロウスキーさんは、アリゾナ州ウィッケンバーグ近郊在住で、ジョンさんの家の数軒隣に住んでいる。

    ジョンさんはベテランの坑夫で、アギーラ近郊の自身の所有地に、「人工遺物、半貴石、貴金属」探しに行った、とバロウスキーさんは話している。

    ジョンさんの所有地には鉱山がふたつあり、そのひとつはしばらく探鉱されていなかった。ジョンさんはその前の週に立坑の上に櫓を建て、ロープで下に降りられるようにした、とマリコパ郡保安官事務所は説明している。

    ジョンさんは鉱山へ降りるときに、「ロープで下りる摩擦を制御できなくなった」と郡保安官事務所の山岳救助隊のロジャー・イエンセンさんは記者会見で説明した。

    ジョンさんを安全に引き上げるために、イエンセンさんは15名からなる救助隊を指揮した。

    ジョンさんが救助された後に、見舞いに行ったというバロウスキーさんの話では、立坑の中程まで降りたときに、「懸垂下降する器具が壊れ」、立坑の地面に叩きつけられた、とのことだ。

    ジョンさんはひとりで立坑に行くことも多いが、戻らない場合に心配してもらえるように、出かけるときは知人に声を掛けていく、とバロウスキーさんは話している。今回は、ジョンさんはバロウスキーさんではなくて、テリー・シュレイダーさんに声を掛け、16日までに戻らなかったら、見に来て欲しいと頼んでいた。

    17日、シュレイダーさんはアギーラの地所へ車で向かい、午後1時過ぎに到着した。

    「ジョンさんが昨日戻らなかったので、今日見に行こうと思っていました」とシュレイダーさんはABC 15の取材に答えている。

    「トラックを停めると、ジョンさんが『助けて、助けて!』と叫んでいるのが聞こえました」とシュレイダーさんは話し、もっと早く確認しに来なくて申し訳なかったと付け加えた。

    シュレイダーさんは当局へ通報し、3時間におよぶ救助活動の末、ジョンさんはようやく午後7時近くに救助された。既に外は暗くなっていた。

    「知人が来てくれ、助けてもらえて感謝しているとジョンさんは話しています」と郡保安官事務所の山岳救助隊のイエンセンさんは話した。

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    ジョンさんはベトナム戦争を経験した退役軍人で、 鉱山に二晩閉じ込められて「生き延びるのに軍隊での経験に頼っていた」とバロウスキーさんは話している。

    立坑の幅は、2.5~3メートルしかなく、陽の光も殆ど差し込まない。

    鉱山には1時間くらいしか滞在する予定ではなかったため、ジョンさんは水や食べ物を殆ど持参していなかった。

    「ヘビが何匹も近づいてきて、ジョンはヘビをやっつけた」とバロウスキーさんは話している。ガラガラヘビを殺した方法はよく分からないようだが、石で殺したのだろう、とのことだった。

    救助隊の話では、ヘビは見なかったとのことだが、ジョンさんの救出は、「とても技術を要し、難しいものだった」と救助隊を指揮したイエンセンさんは話している。

    救助隊に助けられたとき、ジョンさんは脱水症状で、下肢に怪我をしており、両手はロープの摩擦で擦り剥けていた。

    「(ジョンさんは)とても冷静でした」と救助隊のイエンセンさんは話している。「元気でした。みんなと会えて喜んでいました」

    18日、ジョンさんは怪我のため手術を受けた。

    手術の前に、バロウスキーさんはジョンさんに面会し、ジョンさんは順調に回復している、とのことだった。

    「ジョンに言ったんです。『よぉ、兄弟』彼は私にとって兄弟みたいなもんです。こう言ってやりました。お前さんのことは大事に思ってんだ、元気になったら、ひとりで出かけていった罰で尻を蹴っ飛ばすぞ、ってね」とバロウスキーさんはBuzzFeed Newsに話した。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan