注:この記事は、虐待やうつなどに関連した内容を含みます。
「カウンセラー・セラピストの人に聞きます。相談者が恥ずかしいと告白するけど、実はとても普通なことって何がありますか?」

1. 侵入思考。意識して考えているわけではない非自発的な思考で、頭にふと浮かぶイメージのこと。
「ふと、とても暴力的で不愉快なことを考えてしまう」と恐る恐る告白する方がいらっしゃいますが、これは多くの人に当てはまることです。
大抵の場合、侵入思考が暴力的だからといって、その人が暴力的だということにはなりません。
2. 自由時間を生産的に過ごせていないという悩みを、去年は特に多く耳にしました。
「家を片付けたり、運動したり、副業をはじめたり、収入の助けになるような趣味を探すべきだと思うんです」と、みなさんよくおっしゃいますね。
Netflixを見て、お昼寝することに罪悪感をもっているようです。
この原因は昨今の意識高い系の流れ、スキルアップ・キャリアアップしようという考え方にあるのではないでしょうか。
Netflixを見てゴロゴロしていていいんですよ! なにも悪くないんですよ!
3. 自分は何が楽しいのか、趣味は何なのかわからないという人。
こういう人の周りには、「何か楽しいことしてみたら?」とか「自由な時間には何をしていますか?」とか聞いてくる人が多いのではないでしょうか。
自分の趣味・楽しいことがわからないという人は、実はけっこう多いんですけどね。
– u/ljrand

4. 長期闘病の末に愛する人が死んだ時、明るい気持ちになること。
とくに、病気で長く苦しんだ場合や、認知症のご年配の方がなくなった時に、自分が前向き・ポジティブに捉えていることに戸惑い、ショックを受ける人がいます。
この気持ちは、何も死んでくれて嬉しいというわけではなく、ほっとしたという安堵からくるものです。
少なくても苦しみの状況は終わったんだという安心の気持ち。
これはとても一般的な感情のひとつで、亡くなった方を愛していなかったなんてことはありません。
5. 落ち込んでいる時に、お風呂や歯磨きなど衛生面のケアをさぼってしまうこと。
6. 子どもを持ったことへの後悔。産まれた子どもにすぐ感じられない愛情。
これを口にするのはタブーであり、そう思うこと自体が悪・恥であると悩む人は多いです。
実は思っているより多くの人にある悩みなんですよ。

7. 保護者の虐待が明るみにでたときの複雑な感情。
暴力を受けていても、同時に、保護者に養われている・世話になっているという思いがあり、保護者に対して申し訳ない気持ちになります。
こういう場合、その気持ちは当たり前かつ理解できることだと伝えた上で、それでも虐待をした人は自分のしたことに向き合い罪を償う必要があると伝えるようにしています。
9. インポスター症候群(周囲から評価されても、自分で自分を過小評価してしまう心理状態)。
多くの人があなたと同じように感じていますよと伝えると、よく驚かれます。私にだってその気持ち、ありますよ。

10. 愛する相手に怒りを感じること。
なぜか、怒りは不必要で悪い感情だと社会的に捉えられています。
結果、愛する相手に怒りを感じてしまう自分は悪い人間だと考えてしまう。そして、怒っていないフリしようとしてしまう。
実際は多くの人が愛する人にも怒りを感じる、そういうものなんです。
11. 孤独感、友達が少ないこと。
ソーシャルメディア上では、みんな友達がたくさんいて、常に何かイベントをしているように見えますが、それは現実とは違います。
実際は、誰でも孤独を感じることはあるし、友達と喧嘩したり、友人が少ないと落ち込んだりする時期があるものです。

12. 既婚者のカウンセリングを主に担当していますが、みなさん夫婦喧嘩を恥ずかしいと思っていますね。
でも、夫婦に限らず、喧嘩は誰だってしますよね。
喧嘩は、人間関係において、お互いが感情を表現し解決に向けて努力しているというとても健康的なことなんです。
特に恋愛関係では、喧嘩との付き合い方を学ぶことができます。
生まれつき人間関係の対処の仕方を知っている人はいないので、時間をかけて学んでいくことこそヘルシーな人生だと思います。

13. とくに理由なくウソをついてしまう人。これは周りの状況に合わせなきゃという気持ちによるものかと。
特に10代の若者に見られます。
メンタルに不安を抱えている子が、実際にはハッピーな日があっても、「家庭環境などにより精神状態が良くない」という周りからの「期待」に応えようと、悲しい雰囲気を装ってしまうパターンなど。
これは非常にまずくて、悲しいフリをするうちに、本当に気持ちが沈んでしまうことも少なくありません。

14. 家出願望。10代によくある幻想的願望で、普通のことです!
15. 中毒症状から抜け出そうとしている時、つい手をだしてしまったり、逆戻りしてしまったり。
これも「辞める」プロセスの1つなので、恥じることはありません。
治療に失敗したと思わないこと。自分は立ち直れないと思わないこと。
16. 借金の額とそれによる不安。

17. 周りに落ち込んでいる人、うまく行っていない人がいる中で、自分だけ環境を改善しようとしていることに罪悪感を持つ人はけっこういますね。

19. 子育てや介護はとても大変な仕事です。時に気持ちがいっぱいいっぱいになるのは普通ですし、必要なら休むこと・助けを求めることも大事です。
愛する人のケアをしているのにキツイと感じることに罪悪感を持つ人は多くいますが、実際は自分自身のケアももっとすべき。
じゃないと、燃え尽きちゃいますよ…。
20. 自分を傷つける文化・宗教の「当たり前」を否定すること。
21. パートナーとベッドを分けること。
多くの夫婦・パートナーが、別々のベッドで寝るようになったのが諸悪の根源のような考え方をしているようです。
特に年配の方にこの傾向がよく見られます。
古風な考え方では「普通」ではないかもしれませんが、「一般的」なことなんですよと、しょっちゅう伝えています。
一般的であり、今後よりもっと一般的になっていくと思います。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:soko / 編集:BuzzFeed Japan