オリラジ中田敦彦が語る仕事と子育て 「空気を読まないで、時代を読んで発言する。僕は早く帰ります」

    職場でも家庭でも闘う30代父親を代弁

    東京・日本橋で11月6日、仕事と子育てを考えるイベント「WORKO!」が開かれた。冒頭、お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんが登壇した。

    子育て中の中田さんは、子育てに積極的に関わる男性を指す「イクメン」という言葉について、こう話した。

    「働いている男性は、24時間、家事や育児ができるわけではない。でも、できる範囲で頑張ろうと、自分なりの正解を探っている。それで『僕、イクメンです』というと、女性たちから袋叩きに遭うわけです。イクメンではないけれど頑張っている状態を表現する言葉がないから、世の男性は苦しい思いをしています」

    デビュー12年目。タレントの福田萌さんと結婚してからも、休みは年1,2日という状況が続いていた。子どもが生まれ、いまは仕事を「断る」努力をし、月平均5,6日は休むようにしている。

    「最近、ニュースでも働き過ぎによる事件が取り上げられています。僕みたいにメディアに出ている子育ての当事者世代が、変えていこうと声を上げていかなければいけない。『お前はPERFECT HUMANか何か知らないけど、ちょっと1曲当たったからって調子に乗りやがって』と言われたりもしますけど、これは空気を読んでいる場合じゃない。時代を読んで発言していかなければならない」

    「30代の父親は、職場でも家庭でも闘っている」

    「子育てのトレンドは世代ごとに変わっていくのに、社会のインフラやルールをつくっているのは、子育てをひと段落終えた世代。現役世代の悩みを言っても理解してもらえない。上司と衝突してしまいます」

    「一方、家庭では、妻が夫にしてほしいと思っていることと、夫がこれを頑張れば妻が喜ぶと思っていることがマッチしていない。週2日休みをとって国内旅行に行くよりも、とにかくそこの埃を払え、ルンバのスイッチを入れろ、皿を洗え、そういうことなんですね。派手なパフォーマンスではなく、地味な作業。それを夫婦で分け合うとなると、毎日夕方に帰ってくる夫のほうがいいわけです」

    「これ、大変ですよ。育児休業ならともかく、職場で『何すぐ帰ろうとしているの、しかも毎日』となるわけですよ。それは会社や日本といった単位で改善していかないと、個人レベルでやっていくことではないなと感じています」

    会場では、ハッシュタグでつぶやいた当事者たちのTwitterも紹介された。

    デイリーの家事をして欲しい。あっちゃん、その通り!!せめて、自分が飲んだ缶ビールぐらい、ゴミ箱に捨ててほしい。でもパパがいろんなものの板挟みになってるのも分かる。。#WORKOな世論 #夫の何にイライラ

    #WORKOな世論 #夫の何にイライラ 出来るときに出来る事やってくれるのはありがたいけど、仕事を理由にやれないと言う事多すぎ。私は出来ない時も何とかやっている事、なぜ理解できないの?

    出来れば…私が仕事で旦那が休みの時くらいは、帰ってきたら家事が残ってるって状態をなくして欲しい…12時間あれば、昨夜のうちに干しておいた洗濯物を畳んでしまうくらいは出来ると思うんだ… #夫の何にイライラ

    夫は「PERFECT HUMAN」ではない

    中田さんは「たくさん打席に立つ」ことで仕事の成果を上げてきた男性が、時間制約によって葛藤する様子をリアルに表現した。

    「夫が妻から求められるのは、打席を半分に減らしてでも、打数を維持すること。上司と喧嘩をしても、出世はすること。苦しいですね」

    夫に「PERFECT HUMAN」であることを求める妻と、職場と家庭の板ばさみにあう夫。解決策はあるのか。

    「夫は、何やればいいかわからないコンピューターみたいなもの。コマンドがない。妻からしたら『やるべきことは自分で探せよ』なんでしょうが、でっかいコマンドを一発入れてもらえたら、男は愚直に頑張ります。僕は妻から『掃除大臣』に任命されて、やりやすくなりました」

    「シンプルなコマンドを1,2個入れる。家事や育児は2個だけではないですが、1,2個のコマンドが日常になると、夫は次の指令を待つようになります。育成型のロボットなんですね。そして、あなただけの最高のロボができあがります」

    会社で責任ある仕事を任されている男性たちは、「まさか俺が、家でこんなに役立たずとは」と、家庭での役割を受け入れづらい。

    「だから僕は『研修生』だと思うようにしています。家事や育児をやらない選択はないけど、やればやるだけ怒られる。教わることで成長していくんです」