在宅勤務の合間のほっと一息、どうしていますか?

午後1時半から30分間、見知らぬ人たちが一緒にコーヒーを飲む。ただそれだけの目的でつながっている会が、毎日オンラインで開かれています。
それは、クラウドカフェ「#BrewHome」。

ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎英典さんが、オンライン会議システム「Zoom」上でファシリテーターとなって開いているこのカフェ。
4月10日から毎日欠かさず開催し、毎回約50人〜90人が参加しています。コーヒーに詳しいゲストらを招いて話を聞いたり、井崎さんがまったりトークを繰り広げたり。
参加者はそれぞれ事前にコーヒーを準備し、最初に「#BrewHome!」のかけ声で乾杯したら、カメラやマイクのオンオフは自由。
チャット機能でゲストに質問する人もいれば、ラジオのように聴き流しながら仕事をしている人もいます。
みんなでひとつのテーブルを囲むように、ともにコーヒーを飲みながら、同じ時間を過ごす。いわばただそれだけのプロジェクトは、なぜ生まれたのでしょうか。
「おうちコーヒー」と「世界平和」の関係性

2014年、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンに輝き、アジア人初の世界チャンピオンとなった井崎さん。
コーヒーに関するコンサルティングを手掛ける「QAHWA(カフア)」のCEOとして、年間200日以上を海外で過ごしながら、グローバルに活動しています。
4月15日に新しい事業をローンチしようと1年以上かけて準備していたところ、新型コロナウイルスの影響によって、中止せざるを得なくなってしまいました。
「いったんは途方に暮れてしまいました。しかし、仲間と話し合ううちに、こんなときだからこそコーヒーを通して社会の役に立てないか、という話になりました」
QAHWAはもともと「Brew Peace」(コーヒーの力で、平和な世界を、叶えよう。)というミッションを掲げていました。
「30カ国以上で仕事をしながら、たとえ国同士が対立していてもコーヒーを一緒に飲むことで、違いを乗り越えて人と人とをつなげることができると感じていました」
「コーヒーでほっとする感情をつくり続けていったら、世の中は平和になるんじゃないかと信じているんです」
井崎さんは、新型コロナウイルスの影響で、世界中で行動制限や経済不安が進み、多くの人が不安や孤独を感じている状況で、「コーヒーがこの瞬間、役に立てることがあるのではないか」と考えたといいます。
「『おうちコーヒー』と『世界平和』は大きなギャップを感じる言葉ですが、あえてこの2つの言葉を発信し、コーヒーがつくり出す時間がどれだけ平和であるかを伝えることができればと思っています」
運営やゲストは、有志によるボランティア。クリエイティブディレクターの川嵜鋼平さんが企画やクリエイティブディレクションを担当しました。企画をサポートする賛同企業も増えています。
世界の人たちが"同じテーブル"に
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参加者は、高校生から会社員、海外在住の人までさまざま。毎日欠かさず参加している人もいます。
「地方や海外にいても、同じカフェにいてPCという同じテーブルについているような感覚でコミュニケーションできるので、オンラインってすごいなと思います」
5月1日は、シドニーの人気コーヒーチェーン「アーティフィサーコーヒー」の日本人オーナーがゲストとして参加し、オーストラリアのカフェの現状について語る予定です。
「外出自粛や在宅勤務が長く続き、気持ちがすさむときもあると思います。コーヒーを飲んでほっと一息つく時間を共有することで、不安や孤独を少しでも解消してもらえたら。何より、僕自身の救いになっています」
「毎日続けてきたことで、少しずつ参加者が増え、一日の習慣になっているという声も聞きます。ここが拠り所になっている人もいるかもしれません。緊急事態宣言が続く限り、コーヒーを通した平和な時間を毎日つくり続けていきます」
「#BrewHome」は毎日、午後1時半から30分間の開催です。
参加はこちらから。

ゆっくり休みたいときもあれば、自分や誰かを守るために家にいるという選択をすることもあります。
・周りの人を感染させないためにできること
・医療崩壊を防ぐためにできること
・経済活動を止めないためにできること
・家族の不安を和らげるためにできること
みんなが豊かに過ごすために、一人ひとりにできること。
いまだからこそ、自宅で過ごす時間の意味を見直してみませんか?
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