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休んでいるのに書類上は職場復帰。育休から「仮面復職」せざるをえない理由

罪悪感に苛まれながら

来年4月入園の認可保育園の申し込みが始まっている。

住んでいる自治体や、申し込む時期によって入園事情が違うなかで、本来しなくてもよいはずの「努力」をしている人たちがいる。

保育園に預けてカフェで暇つぶし

もうすぐ1歳になる長男がいる、東京都内に住む会社員女性(31)。朝、認可外の保育園に息子を預けると、カフェに入った。ここで数時間をつぶす。

育児休業は終わっている。だが職場には一度も復帰せず、有給休暇を取っている。休み続けているのだから、本来ならそのまま育休を取ればいいのだが、わざと早めに育休を切り上げて、有休に切り替えた。書類上は「復職」したことになっている。

認可保育園に子どもを預けるためには「働いていないといけないから」。つまり「仮面復職」をしたわけだ。

有休をここで使うしかない

「息子が1歳になるくらいまでは、仕事を休んで子育てをしたい」

女性は、息子が1歳になった後の来年4月に認可保育園に入園させ、職場復帰するのがベストだと思っている。ところが4月は同じように育休明けの入園希望者が多く、横並びの厳しい選考になる。

頭ひとつ抜け出すための方法の一つが、職場復帰している証明書と、認可外の保育施設に預けている証明書を提出することだ。「すでに働いており、保育の必要性が高い」と判断され、入園選考では育休中の人よりも優位に立てる。

二つの証明書は、入園申し込みが締め切られる来年1月までに提出しなければならない。女性は30園ほど見学して、ようやく空きのある認可外の保育施設を見つけた。一時的な預け先は確保できた。では、復職のほうはどうするか。

息子はまだ1歳になっていない。できれば今すぐに復職せず、一緒にいたい。

女性は、会社の上司と人事部に相談した。出社しないが、書類上は復職するので、勤務証明書を書いてもらえないか。実際に出社するまでの1カ月超は、有休を使って引き続き休ませてもらえないか。そうしなければ、4月に認可保育園に息子を預けられないかもしれないーー。そして何とか、職場の理解を得ることができた。

だが不安なのは、有休が減ることだ。前年度からの繰り越しぶんを含め、1カ月超の有休を一気に消化することになる。実際に復職した後、子どもが病気になったときに休むことができるのだろうか。

「子育てしながら働くのは初めてだから、どのくらい子どもが病気をするかもわからない。心配です。できればここで有休を使いたくなかったけど、認可保育園に確実に預けるために、他にできることが見つかりませんでした」

実際は子どもの面倒を見ることができるのに、証明書のためだけに、月7万円かけて施設に預けている。子どもにも、職場にも、そして入園申し込みをしている他の親たちに対しても、どこか後ろめたさを抱えている。

限られた人だけの「裏技」

「仮面復職」は、この女性だけがしているわけではない。他にも、通常の有休だけでなく「リフレッシュ休暇」などをつなげて復職を先伸ばしするケース、有休を利用して「仮面復職」をし、保育園に入園が決まった後で育休を取るケースなどもある。産前産後休暇、育児休業、有給休暇の日数を1日単位でカレンダーにはめていき、保育園の入園申し込み期限とにらめっこするのだ。

ただ「仮面復職」する人は、多いわけでもない。子どもが生まれた月によっては、有休を使い果たしても入園申し込みのタイミングと合わない。「仮面復職」を職場が認めてくれるとも限らない。条件に恵まれた人だけができる「裏技」ともいえる。

そもそも自営業や非正規雇用の人たちは、有休どころか育休すら取れない。国は、親が育休をしっかり取れるように、年度途中でも入園できる「入園予約制」の導入を自治体に促している。育休を最長2年まで取れるようにするための法改正も検討されている。こうした「入園予約」や「育休延長」の制度の恩恵も、自営業の人たちは受けづらい。

ブログ「ふざけんな世田谷!自営業を保育園に入れろ!」では、自営業とみられる女性が、「なんで一年も二年も育休取れる会社員が優先で、産後二ヶ月以内に復職しないといけない自営業が後回しなんだよ!」と訴えている。

子どもを保育園に預ける”競争”をくぐり抜けるための「仮面復職」。そうした競争が生む、親同士の対立。親がどんな働きかたをしていても、子どもを保育園に預けられるようにするのが一番いい。だが、保育ニーズに対して保育園が足りていない現状は、その理想を実現するにはほど遠い。

親たちの声はいつになったら届くのか

育休のない自営業です。産後1ヶ月で子連れで保育園見学をし、ただでさえしんどいのに行く先々で空きがないと言われる絶望感たるや。 保活のしんどさと上の子の退園が怖くて、第二子もほしいのに踏み切れません。 #WORKOな世論 #保活がしんど過ぎる

うちは育休最大2年取れるから、充分な受け皿があるとわかっていれば育休めいっぱい取れるのに、現実1歳4月入園は競争率高過ぎて入れないので0歳4月入園を狙わざるを得ない。で、それでも危ないので認可外加点をつけるためにさらに早く復帰しておく必要があるという… #保活がしんど過ぎる

#WORKOな世論 #保活がしんど過ぎる 育休って子どもを育てる為の時間だよね?保育園の見学で疲労困憊。子どもにちゃんと向き合えない… 育児って余裕が何より大事だと痛感。

保育園の申込みをしてきた。3月までは認可外に預ける訳だけれども、月額の契約じゃないと、例えばインフルエンザで長期間登園できなくても、加点の条件から外れる為、認可外にあずけたという点数がなくなると言われた。診断書があったとしてもというのが訳わからん。 #保活がしんど過ぎる

面接先「保育園決まってないのは…」(保育園みつけて預け先確定してから来い) 市役所「就労証明っていうのがあって…内定したらetc...」(預けてから仕事探しなんて甘いんだよ) で仕事先みつけたが半年待機児童で、頼る周りもほとんどいず。 #WORKOな世論 #保活がしんど過ぎる

私も区役所に電話したり窓口行くたびに泣きそうになる。なんで妊娠しちゃったんだろう。これからどうなるんだろう。もっと気をつけてればこんなことにならなかったのに。現状を知らなさすぎた。戻りたい。前に戻りたいってひたすら思って泣けてくる。 #保活がしんど過ぎる