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日本の海に漂うゴミで服をつくる。ブランドに息子の名前をつけた父の思い

「 "第2の地球はないのだから" と記された服を着ることは、意志表明になる」

海から回収した大量のペットボトル、使い古した漁網、廃タイヤ......。

こうしたゴミをリサイクルした素材や環境に負荷の低い素材を使ったスペイン発のファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」が2020年3月、東京・渋谷に日本1号店をオープンする。

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

エコアルフ創業者のハビエル・ゴジェネーチェさんは、2人の男の子の父親だ

「ブランド名の『エコアルフ』は、下の息子の名前(アルフレッド)からとりました。2009年に彼が生まれたときに、地球環境のことを配慮した、これまでとは違うデザインや製造方法ができるブランドを作ろうと考えたのです」

エコアルフ創業者のハビエル・ゴジェネーチェ(Javier Goyeneche)さんは、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。

2009年にスペインで創業し、ドイツやオランダにも店舗を展開。日本では2019年9月、三陽商会との合弁会社「エコアルフ・ジャパン」を設立した。2020年度に日本で20店舗を出店する予定だ。

第2の地球はない

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

「BECAUSE THERE IS NO PLANET B」と商品にも記されている

エコアルフが、各国の店舗や公式サイトだけでなく、Tシャツなど洋服にも掲げているメッセージがある。

「BECAUSE THERE IS NO PLANET B(第2の地球はないのだから)」

地球環境に負荷をかけないよう、新たな自然資源を使わないことにこだわっているという。

2015年に設立した「エコアルフ財団」では、ゴミを回収し、分別し、素材に再生し、洋服などを製造、販売するまですべての工程をまかなう「アップサイクリング・ジ・オーシャンズ」を実践している。

漁師たちがゴミを回収する

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海洋ゴミの回収には、漁師たちの協力が欠かせない。

漁師が漁網を引き上げると、魚だけでなく、ペットボトルやレジ袋などのプラスチックゴミが大量にかかっている。

それらのゴミを海に戻さず、ひと手間かけて回収してほしいという依頼を、スペインの30以上の漁港の漁業関係者が受け入れた。

これまでに地中海の海底から500トン以上のゴミを回収し、タイでも回収を始めた。

不要になった漁網は、ナイロン製品に生まれ変わらせている。廃タイヤは2年間の研究開発の末、粉末にしてサンダルに再生することに成功した。

ゼロから素材をつくるよりも

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

廃タイヤをリサイクルした粉末でサンダルが作られる

「新たにゼロから素材を作るよりもリサイクルするほうが、製造工程で発生する水、電力、化学的な処理を減らすことができます」

と、ハビエルさん。ポリエステルやナイロンだけでなく、コットン、ウールなどもリサイクルだ。

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

リサイクルコットンを使うことによって、新たにコットン素材をつくることに比べ、Tシャツ1枚あたり約2500リットルの水を節約できる、としている。

「まず水をリスペクトすることから始めたい。まず、水を使う量を減らすこと、化学薬品で水を汚染しないこと。自然資源は限りがあるということをもっと意識しなければなりません」

ペットボトル150本でコート1着

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

150本のペットボトルは三陽商会のオフィスで回収した

11月26日に東京・四谷の三陽商会であった2020年春夏コレクションの展示会では、スプリングコートの下に、網がかけられた約150本のペットボトルがディスプレイされていた。

コート1着につき、このくらいの量のペットボトルを再生したリサイクル素材を使用することを表現したのだという。

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

「70本のペットボトル=1メートルの生地になる」とそれぞれの洋服のラベルに記されている

出店と同時に2020年から、日本国内でも「アップサイクリング・ジ・オーシャンズ」を実践するための準備も始める予定だ。

商品を輸送することによる環境負荷を考慮するとともに、「日本に出店するなら、日本でリサイクルしないと意味がありません」と、ハビエルさんは意気込む。

「再生の仕組みをつくるためには確かに初期投資はかかりますが、漁業関係者らに働きかけていきたい」

ファストファッションの聖地に参入

時事通信

2019年10月、閉店セールをする「フォーエバー21」の店舗

3月に日本1号店を出店する渋谷・原宿エリアは、日本のファストファッションのメッカともいえる。

だが、2009年に原宿に日本1号店を出店した「フォーエバー21」は、2019年10月末に日本撤退。「アメリカン・イーグル」も12月末までに国内の全店舗を閉鎖すると発表した。

ハビエルさんは「ファストファッションのビジネスモデルはサステナブルではない」と言い切る。

Tシャツに敬意を払って

Akiko Kobayashi / BuzzFeed

「みんな、Tシャツに敬意を払いませんよね? 例えば、たった5ユーロで買えるからと、3回着たら捨てるようなことが起こってしまう。そんなバカバカしいTシャツをつくるために海や川や森林を破壊していくなんて」

「買って捨て、買って捨て、の文化は、大量の資源を使い、大量のゴミを発生させさせます。地球にダメージが大きいです」

「ファッションは、たくさんの人の役に立っている、とても素晴らしい産業です。だから、これまでとは違う形で続けていく必要がある。テクノロジーを活用してもっと良質なジャケットやパンツを作ることで、ファッションで革命を起こしたいのです」

ハビエルさんは「エコアルフを着ることはステイトメント(意志表明)です」と言う。

「自分は地球環境のために新しい方法を考えたいんだ、気候変動の解決策を見つけたいんだ、ということを、エコアルフのファッションを身につけることで表明してもらえるといいですね」

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Contact Akiko Kobayashi at akiko.kobayashi@buzzfeed.com.

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