みなさん「箸置き」って使っていますか? 食卓に箸置きを1つ加えることで、一気に彩りがあふれてきます。
ほら。

これも。

鼻にお箸をつっこんで使う「鼻の穴はしおき」や、ひらがなの「め」にお箸を置くと「あ」になる箸置きなど、ユーモアあふれる作品を制作している陶芸作家のNIKKORIEさんにお話を聞きました。
ーー鼻にお箸を入れたり、ユーモアあふれる作品の発想はどこから生まれるのでしょうか
鼻の穴はしおきは、「鼻にお箸を入れちゃいけません」と押さえつけられても、溢れだしてしまう気持ちからです。
あ→め箸置きは、「"あ"と"め"って似てるな」と。ふと浮かんだことからですね。他にも、「メーン!」って言ったらラーメン食べたくなるなぁといった気持ちから、「剣道メン箸置き」も作りました。
そんなふうに、あったら自分がおもしろいと思うものを素直に形にしています。

作品だけで自己完結するのではなく、箸を置くという動作を加えることで変化する"広がり"のあるものが好きです。
箸の持ち主の時間に合わせて、心に寄り添って、食前・食間・食後で満ち欠けする箸置き。未完の美、和の心を感じるようなもの。持ち主と箸置きが一緒にいるからこそできる「間」を楽しんでいただけるようなものを、考えていきたいと思っています。
ーーどんなところに注目して使ってもらいたいですか?
作品全て、陶土でひとつひとつ手作りしているため、どんなに同じように作っても同じものはありません。
大量生産の使い捨てではなく、一点物の一生もの。色の斑や、形の凹凸、ゆがみ……時には短所と思われるところが長所で、そこに可愛らしさがあると感じています。
ご縁のあった作品を、個性丸ごと大事にしてくださる方に使ってもらえる時、一つひとつ作って本当に良かったと思います。それと同時に、大切にしてもらえるように、心を込めて丁寧に作ろうとも思います。
土物は、使うほど味わいが増し、持ち主とともに成長していきます。「あれ? 最近成長したかな?」って感じで、箸置きを使うたび見守っていただけたら嬉しいです。

ーー箸置きってどんな存在なんでしょうか
家族で食卓を囲むような楽しいときだけでなく、一人物思いにふけるときもそっと一緒にいるのが箸置きだと思うんです。きっとなくても困らないんですよね、でも、あったらおもしろい。
食卓に、鼻ならぬ花を添えられたら本望です。