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日本一『ハイスペック独身』を見守ってきたバチェラー司会が語る「カップルが支え合うために必要なこと」

黄皓さんと秋倉諒子さんが結ばれ、ついに完結した『バチェラー・ジャパン』シーズン4。今回は、旅を一番近くで見守ってきた司会の坂東工さんにお話を伺いました。坂東さんは、2人の結末をどのように見届けたのでしょうか。

※本記事はネタバレを含みます。


さまざまな波乱を乗り越え、ついに完結した婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4。

最終話では今回のバチェラー・黄皓さんとパーソナルトレーナーの秋倉諒子さんが結ばれ、SNSなどでは2人を祝福する声が多く寄せられました。

今回はそんな2人を一番近くで見守ってきた、司会の坂東工さんにお話を伺いました。

坂東さんは『バチェラー・ジャパン』シーズン4の旅をどのように見届けたのでしょうか。カップルがともに歩んでいくために必要なことや、坂東さんが考える「セルフラブ」についてもお聞きしました。

ーー坂東さんは『バチェロレッテ・ジャパン』と『バチェラー・ジャパン』、2シーズン通して黄皓さんを見守ってきました。前回から今回を経て、黄さんに対しての印象に何か変化はありましたか?

『バチェロレッテ・ジャパン』では、黄さん限らず参加者の方たちと話す機会はほぼない状態で、カメラが回っている時に関わるくらいです。ですので、彼が一体どういう方なのかは僕にとっては知り得ない情報でした。

今回『バチェラー・ジャパン』で初めてコミュニケーションを取ってみて、改めて感じたのは、彼の人柄の良さですね。黄さんと話していると、幸せな気分になってくるんですよね。

人を立てつつも、自分を生かす。黄さんのそういったコミュニケーションの取り方から、彼自身の意識の持ち方や、ご自身を磨き上げていこうとする日頃からの姿勢を感じました。

ーー映像では見えないところで2人の信頼関係が築き上げられていたんですね。旅の中で、坂東さんは何度も黄さんに対して「君の物語だから、大丈夫だよ」と声をかけていたとのことですが、どういう想いをこめてのことだったんでしょうか?

旅を終えた時に、一切のわだかまりを残してほしくありませんでした。

今までのシーズンを見ると、いろんなどんでん返しや、さまざまなハプニングがありました。そして、どの結末も、考えに考え抜いての事だったことは、毎回十分に伝わってくるものがありました。

僕自身は強く表現することはせずに、ただ見守ることしかできませんが、人生の大切な選択に一つでも心残りや迷いを残してほしくない、という気持ちは確かにあります。


今回も、どんなラストであろうと、黄さんにとって一番納得のいく形でこの旅を終えてほしいという想いがありました。親心のようなものでしょうか。

ーー最後のローズセレモニーの直前、ヘリから降りた黄さんの顔つきが今までと全然違うように見えて。坂東さんは黄さんの表情から、どのような感情を読み取りましたか?

まだ迷いの中にいるな、と感じました。

いよいよローズセレモニーを迎え、彼がローズを手にしました。後はお相手の名前を呼ぶだけ…。本当に長い沈黙がありました。

固唾を飲んで見守っていましたが、「すみません、ちょっといいですか?」と黄さんから呼ばれて、少しお話をしました。それで落ち着いてくれたのか、決意が固まったようでした。

そして最終決断をして秋倉さんにローズを渡したということは、彼の中で大きな心の動きがこの数分間にあったのでしょう。

ーー前日に決断を決めていたとしても、いざ相手を目の前にすると気持ちが揺らいでしまいそうです。


『バチェラー・ジャパン』の旅の中だと、黄さんと参加者の方々は会う機会が限られています

“会える時間の貴重さ”を誰よりも実感しているからこそ、彼はあの研ぎ澄まされた空間の中で、しっかりと2人を目の前にしてから決めたのだと思います。

前日にいくら理論を組み立てて自分の気持ちを固めたとしても、実際に相手と会ってしまえば、そんなものは簡単に崩れてしまうものです。

ーー最終的に黄皓さんのパートナーになった、秋倉さんへの印象はいかがでしたか?

秋倉さんは、心の幅がすごく豊かな方という印象があります。

4話で、参加女性たちからの不信感が募ってしまったあと、黄さんが女性たちと一対一でお話をして、不安を解消していくシーンがありましたよね。その際、僕が女性たちへ黄さんからの招待状を渡しに行ったのですが…。

秋倉さんが手紙を開いて読み始めた瞬間に、突然涙を流したのです。水を含んだスポンジをギュッとするように、ブワッと溢れ出して。

僕は参加者のみなさんに対して感情移入はしないようにしているのですが、彼女のその姿を見た時に、本当に極限の状態にいるのだと感じました。

秋倉さんはいつもはつらつとしていて、周りの女性たちにも元気を与えているように見えますが、実際のところは涙が溢れるほどさまざまな感情を抱えながら過ごしていたのだなと。

そんな彼女の姿を目の前にした時、彼女の持つ心の強さや豊かさといったエネルギーを感じました。


ーーあのシーンの裏ではそんなことが。黄さんのアプローチについて、坂東さんはどう考えていましたか?

『バチェラー・ジャパン』も『バチェロレッテ・ジャパン』も、旅の中では複数の恋愛が同時に進行していくものです。その状況の中で、黄さんの行動は間違っていないですし、彼は彼の旅を、全うしたということではないでしょうか。

今回の黄さんの旅では、そんなこの旅の“本質”を改めて再認識できたと思っています。

今後も『バチェラー・ジャパン』が続いていくとするならば「そういう旅の中に自分たちはいるのだ」ということが、バチェラーにとっても参加女性の方々にとっても前提になるのではと考えています。

ーー『バチェラー・ジャパン』に限らずのことですが、結ばれたカップルがともに歩んでいくためには、どんなことが必要なんでしょうか。

相手が怒っているとか、悲しんでいるとか、そんな感情の中にいる時に「かわいそう」だと思わないことかなと。

起きている状況に、良い悪いはなく、こちらの判断でかわいそうだから助けてあげよう、というところから関わってしまうのは、相手に対して失礼かなと。

どのような状況にあっても、笑って「大丈夫、大丈夫!」なんて言ってくれるほうが、心が救われたり楽になったりするものだと思います。

そして、自分を愛することでしょうか。黄さんもよく「セルフラブ」と話していますが、自分を愛することによって自分を信頼し、相手を信頼することにつながっていくものだと思います。

自分への信頼の中にいる人は、相手も穏やかな心にしてしまうような良いエネルギーを持っているので、一緒にいると本当に楽しく過ごせるんですよ。

ーー「セルフラブ」って、今回の『バチェラー・ジャパン』でも大きなテーマなのかと思うんですが、自分を愛するってどういうことなんでしょうか。

相手に対して愛を表現することだと僕は思っています。

セルフラブというと、自己愛というふうに「自己」がついているので、自分自身に矢印が向いていると思われがちですが、本来は、外側へ愛を向けていくための基盤のようなものだと僕は感じています。

秋倉さんのご家族もそうですよね。お父さまの言葉からはもはや、「自分」という枠を超えて相手に対して愛を伝えていくというような、大きく揺るぎない心が感じられましたよね。それが秋倉さんへもしっかり受け継がれている。

ーー相手に愛を表現してこそ、自分を愛せるんですね。

相手は自分の鏡ということでしょうね。

自分自身に「相手を本当に愛した瞬間があるか?」と、質問を投げかけてみることから、その答えは見えてくるのではないかと思います。

相手を愛していないということは、自分を愛していないというところに繋がるのではないでしょうか。

ーー『バチェラー・ジャパン』シーズン4を総括すると、坂東さんはどんな言葉が浮かんできますか?


「受容」かなと。

黄さんもそうですし、参加された女性たちもそう。自分とは違う人間を「どのように受け入れるのか」がテーマの旅だったのではないかと思っています。