草刈正雄「Twitter実況のみなさん、愛してます」 ファンへの感謝と真田丸にかける思い

    昌幸パパ最高!

    「40年の役者人生の中で、昌幸という役をやる為に、役者を続けて来たのかな?と思います」。(草刈正雄 オフィシャルブログより)

    毎週日曜日になると、Twitterのトレンドワードにあがる言葉がある。NHK大河ドラマ「真田丸」だ。三谷幸喜さんのコミカルな脚本と、主演の堺雅人さん(真田幸村役)をはじめとする役者陣の演技合戦。思わずTwitterで実況したくなる面白さで、ファンが急増している。

    その中でも、ひときわ注目を集めているのが幸村の父・真田昌幸役を演じる草刈正雄さんだ。草刈さんは、1985年「真田太平記」で幸村を演じ、31年の時を経てその父・昌幸を演じることになった。真田丸を愛し、「真田家」と運命の糸で結ばれた草刈さんが、BuzzFeedの取材に答えた。

    「これだ!」と浮かんできた昌幸のイメージ

    −−真田丸が放送を開始して、もうすぐ5ヶ月です。これまで演じてきて、一番心に残っている放送回は?

    やっぱり印象でいうと、第1話「船出」です。「真田昌幸」像が上手く掴めたな、と思った回でした。そこからブレることなく演じています。

    はじめに、昌幸のイメージが浮かんだのは扮装テストをした時でした。美術の人が毛皮のコートを作ってくれていて。ひげといい、毛皮といい、昌幸はワイルドな感じのオヤジじゃないですか(笑)。

    田舎のイケイケなオヤジがね、「都会の奴に負けてたまるか」って。そんなイメージが、扮装テストをした時に、頭にぽっと浮かんできました。「これだ!」と思いました。

    「台本がくるのが楽しみ」ここまで思うのは初めて

    −−「草刈さんが演じる真田昌幸だからこそ、魅力的なんだ」という声もあります。

    実はね、演じる時は、まったく意識していないんですよ。三谷さんが書いたものを、素直に感じ取って演じると「昌幸」になります。

    とにかく三谷さんは、ものすごく俳優さんが好きな方で、一人ひとりをよく見てる。特徴をわかってるし、こういうことを言わせたほうがいい、ということがすべてわかっているんです。

    だから、演じるほうも非常に楽しいです。脚本家と俳優たちのやり合いがね。俳優にとって一番大事なのは台本ですから。「台本がくるのが楽しみ」なんて、ここまで思うことは初めてです。

    三谷さんは、撮影現場にはほとんど来ません。キャラクターのすり合わせも、僕の場合はないです。他の俳優さんは「こういうふうにやってくれ」というやり取りがあった、と聞いたことがあるけど、僕に関してはまったく何もなかったです。

    (同席した吉岡和彦プロデューサー「1つだけいうと、おそらく三谷さんが想像しているものを草刈さんは超えてるんです。だから何もおっしゃらない」)

    ははは(笑)。嬉しいです。

    「撮影中、おかしくて吹き出すこともあります」

    −−俳優・脚本以外に「ここはすごいぞ」と思う部分はありますか。

    セットですね。 NHKのスタジオは、やっぱりすごい。奥行きはあるし、あれはもうどこにも真似できません。その舞台に立つだけで「やってやるわ」という気持ちになります。

    他の役者さんたちも、その凄みとスタッフさんの熱意を感じています。真田家で家族のシーンがあったりすると、役者も気持ちが一つになっているから、不思議とすんなり家族になれるんです。

    俳優同士でも真田丸を良くするために、いろいろなアイデアが出てきます。例えば、草笛光子(とり役)さんが、僕の顔を両手で軽く叩きながら、「嬉しい」表現をしたんですよ。草笛さんは「これちょっと西洋っぽいよね」とか言ってたんだけど、「そんなことないですよ! やりましょうよ!」って現場が盛り上がって決まったりとか。

    そういうことが積み重なって、いまもうスキンシップがすごいんです(笑)。ハグはするわ、顔をパンパンって叩いて愛でるわ、これからも役者同士から生まれる表現の広がりはあると思います。

    やっぱりね、大河ドラマをやるっていうのは、胸が躍りますよ。僕は時代劇を初めてやらせてもらったのが大河ドラマだったから、思い入れもあるし、僕の中で大河ドラマは特別ですね。

    −−真田丸は笑えるシーンがたくさんあります。

    第13回「決戦」で、合戦の会議中に、お餅を手でちぎるシーンがあるんですけど、あそこは本当にコントでした。もう、手に餅がべっとりついちゃってさ(笑)。こっちはわざとやってるわけじゃないからね、真剣だから余計おかしいのよ。

    撮影中に、おかしくて吹き出すこともあります。洋ちゃん(大泉洋さん / 真田信幸役)が吹き出したり。洋ちゃんと僕のシーンって、おかしな掛け合いになるシーンが多いんです。この間も、僕と2人のシーンで吹き出してました(笑)。笑える部分も、みんなでタイミングを探りながらね。本当に楽しいですよ。

    Twitterのみなさん、「心から、愛してます」

    −−これからまだまだ撮影は続きますが。

    本当に「真田丸」は見ないと損だと思います。こんなに素敵なドラマ、ないと思うから。ぜひ見てほしいと思う。これぞ「ザ・ドラマ」です。騙されたと思って1回見てください。

    −−最後に、毎週「真田丸」がTwitter上でトレンドになるんです。それはご存知でしたか。

    いろいろな反響は聞いてますけど、それは知らなかったです。え? 本当に? 僕はね、機械オンチでTwitterとかはあまりわからないんだけど。

    −−ファンの皆さんが番組を見ながら「草刈パパ最高! #真田丸 」と感想を実況しています。

    いやあ〜……。もう、愛してますよ本当に。それ以外何もないよ。

    心から、愛してます。