豊胸手術をすると乳がん検査ができない?→専門医「都市伝説。まったく問題ありません」

    豊胸手術をしていると、マンモグラフィー検査ができない? バストの専門医に実態を聞きました。

    「豊胸手術をしていると、乳がん検査ができない?」

    宇多田ヒカルさんのツイートを発端に、豊胸手術とマンモグラフィー検査の関係が話題を呼んでいます。

    久しぶりにマンモグラフィー検査をすることにしたら、事前に「豊胸手術等はしていませんよね?」と確認された。豊胸してるとマンモ出来ないらしい。おっぱい大きくなっても乳がん検診出来なくなるとか代償がデカ過ぎる。そういう事情も了承の上で豊胸する人はするんだろうか。

    豊胸手術によって検査ができなくなることはあるのでしょうか。がん発見が遅れるリスクは。バストの専門医に詳しく聞きました。

    マンモグラフィーって?

    マンモグラフィー検査とは、触診や超音波検査で見つけにくい早期の乳がんを発見するための検査。

    一般的には、乳房を2枚の板で挟み込み、上下から押しつぶすようにしておこなうため、乳房にシリコンバッグを入れている場合は破損の恐れがあります。

    こんな感じで乳房をはさみます。結構痛い。

    乳がん検診時の問診でも豊胸の有無を聞かれます。

    なるほどなー。豊胸手術してると、マンモは受けられないよなー。

    宇多田さんの投稿に対し、「全然知らなかった」「死を覚悟して美を選ぶなんて」などさまざまな反響が。実際に「豊胸をしている場合はお断りしています」と検診時に聞いた、という証言もありました。

    専門医は「都市伝説」

    「豊胸後はマンモグラフィー検査はできない」。これは事実なのでしょうか?

    「都市伝説です。豊胸後もマンモグラフィー検査はできますし、検診の精度が下がることもありません」

    バスト専門「ナグモクリニック」の南雲吉則総院長は、BuzzFeed Newsの取材にそう話します。

    マンモグラフィー検査には、豊胸手術などで胸にシリコンバッグを入れている人にも対応する手法が存在します。筋肉の上の方をはさみ、表面の乳腺を検査する「プッシュバッグ」と呼ばれるやり方です。

    南雲医師は「昔から一般的に使われていますが、技師の技量や知識によるため、実施していないケースがあるのは事実」と現状を話します。

    「この手法でシリコンバッグに破損が生じることはほとんどありませんが、万が一、検査後に別の理由であっても破損があった場合、マンモグラフィーを要因にされる可能性がないとは言えません」

    「検査する側として、リスクを回避すべく断っている病院はあるようです」

    実際、ナグモクリニックのWebサイトでは、乳がん検診やマンモグラフィー検査を案内するページがあります。同院には、豊胸手術を終え「他の病院には行きにくい」「何か言われたり、拒否されるのでは」と不安を覚えて検査にやってくる人も少なくないそうです。