【この発想はなかった】“狂気を感じる”カラーコードかるた 開発者のこだわり

    わかる人にはわかる、6ケタのコード。

    カードに書かれたのは、6文字の半角英数字。

    読み札が「カラーコード」のかるた、「COLOR CODE」が「狂気を感じる」と話題を集めています。

    読み札は、Webページで色を指定するのに使われるカラーコード。プレイヤーは「#000000」(黒)から「#FFFFFF」(白)まで16枚のカードから、読み上げられたコードと一致する色のカードを選びます。

    12月11日に開催した「ゲームマーケット2016秋」(アナログゲームのイベント)で「遊戯部すずき組」(@suzukigume)が販売し、Twitterを中心に話題を呼びました。

    BuzzFeed Newsは、アイデアが生まれたきっかけ、次作の予定などを聞きました。

    ――開発にあたってこだわった点は?

    とにかく印刷の色! ディスプレイ上の色をインクで再現するのは、印刷業界の方ならわかっていただける(というか、絶対頼まれたくない……)と思いますが、かなり難しいです。

    2016年春に発売した初版では、「#00FF00」と「#FF00FF」だけはどうしても大きく違って不満でした。蛍光緑、水色と透明ピンクのカッティングシートを切り出して、腕と肩を痛めました……。この秋に発売した第二版ではお金をかけてRGB発色のいい印刷にしました。原価めっちゃ高くてきついです(笑)。

    ――購入者や遊んだ人の反応は。

    とにかく「カラーコードのカルタです!」で笑ってくれる人が多くて、幸せでした。

    難しそう〜と言いつつ、反射ゲームに強くてあっというまに男性陣に圧勝する女性や、カラーカード(取り札)の右下に小さく書かれたコードをマジックで消してハードモードにアレンジする人や、216色のセーフカラー全部で遊びたい! と言ってくれる猛者もいてうれしい限りです。

    反対に、一緒に遊びたい人に色弱の人がいて……という話もあって、もっと考えて作ればよかったと反省しました。「日本の伝統色」をテーマにした拡張版ではカラーカードに紋をいれて、視覚で識別できるようにしています。

    ――そもそも、アイデアが生まれたきっかけは。

    2015年秋のゲームマーケットで「ばねゲー部(仮)」が作る「まいごねこ」に出会い、個人で制作した初作品とは思えない完成度の高さと面白さに衝撃を受けました。

    同時に、個人でもゲームが作れるんだ! と、身近な題材を探し始め、自分が好きなプログラミング関連に興味を持ってもらえる啓発ゲームを作りたいと考えるようになりました。

    カラーコードに目をつけたのは、以前趣味で出展したデザインフェスタで、色彩をテーマに写真作品をまとめていたからです。啓発、とか言ってたのにとんだバカゲーになってしまってお恥ずかしい限りです……。

    ――ITの知識をゲームで学ぶメリットは?

    「ゲームで学ばせたい」とは少し違って、ゲームが「学びたい気持ち」を持つきっかけになりえることに、強く可能性を感じます。

    私自身「桃鉄」で地理に興味を持って、旅好きになって、写真好きになって、今に至るので。自分が作ったゲームから、思いもよらないことに興味を持って、楽しんでくれる人が増えるとうれしいです。

    ――さらなる拡張や、次作の予定はありますか?

    「COLOR CODE」はもっと枚数を増やしてほしいという要望が多かったので、青系だけ、などちょっと変態的なやつを数量少なめで作ろうかなと思っています。

    在庫は手元に多少あるのですが、通販や委託はしていません(追記:12月末にこちらのサイトで始まりました)。次の販売は、抽選に受かれば、春のゲームマーケット(5月14日)になると思います。

    次回は、IT業界の人ならきっとわかってもらえる、要件定義をテーマにしたカードゲーム「Fat Project」の再販と、今回間に合わなかった基数変換をモチーフにした初のボードゲームを販売したいと思っています。

    追記(1月5日)

    取材当時は「通販や委託はなし」とのことでしたが、12月末に委託販売が始まったとのことで追記・修正しました。