レイア姫役のキャリー・フィッシャーが自分の死亡記事に出したお願いとは

    フィッシャーさんは、自分自身の心の病との闘い、苦悩をユーモラスかつ自己批判的に語ってきた。

    12月27日(日本時間28日)、映画「スター・ウォーズ」のレイア姫役キャリー・フィッシャーさんが亡くなった。60歳だった。

    女優活動以外にも、フィッシャーさんは、自分自身の心の病との闘い、苦悩をユーモラスかつ自己批判的に語ってきた。

    双極性障害(躁うつ病)と診断されていたフィッシャーさんは、「同じ病を持つかもしれない人たちにとって、良い例でありたい」と心の病を隠さず、その苦悩をユーモラスかつ自己批判的に語ってきた。

    「双極性障害であることは、心を奪うようなチャレンジなのです。スタミナをたくさん消費し、それ以上の勇気が必要になってくる。だから、この病気と折り合って生活していて少しでも動けているのなら、それは恥ではない。誇りに思うべきこと」

    心の病を持ちながら夢を追い続けることについてはこう語っている

    「恐れたままでも良いけど、とにかくやってみたほうが良い。大事なのはアクションを起こすこと。自信が出てくるのを待つ必要はない。やってみることで、自信がついてくる」

    フィッシャーさんは知名度を活かし、メンタルヘルス治療を唱えてきた。

    「治療がないと、この世界で機能していけない。治療は私を良き母親、友人、そして娘にしてくれた」

    1970、1980年代に麻薬を摂取していたことを明かしているフィッシャーさん。2006年に開かれたひとり芝居では、アルコール中毒と麻薬中毒についてユーモラスに語っている。

    「1日中、そしてもちろん人生の間、私はおそらくハッピーでいるでしょう。でも、生きている間ずっとハッピーでいるのを期待しているなら——つまり、心地よく過ごすには——まぁ、たくさんの方法がある中で、典型的な麻薬中毒者かアルコール中毒が誕生するのです」

    アメリカの日刊新聞「ヒューストン・クロニクル」のインタビューでは、双極性障害や中毒を通じて「人生を祝うことを学んだ。受け入れることも」と話す。

    フィッシャーさんのユーモアを表すこんなエピソードがある。

    2008年に出した回想記で、フィッシャーさんはジョージ・ルーカス監督との、あるエピソードについて書いている。

    フィッシャーさんは「スター・ウォーズ」の撮影初日に、ルーカス監督からレイア姫が白いドレスを着ている時には、ブラを着けてはいけないと言われた。

    その理由を聞くと「宇宙に行ったら、無重力になって…そうしたら体が膨張するだろ???でも、ブラはそうならない——だから自分のブラで窒息してしまうんだ」と返事が来たという。

    「これは素敵な死亡記事になると思う—。どんな死に方をしても、月光に溺れてブラで窒息死したと報じてほしい、と若い友人には伝えている」

    心の病や中毒に真正面から向き合い、反抗し、けれどユーモアを忘れなかったフィッシャーさん。彼女の勇敢な姿勢は、レイア姫そのものだった。