アパホテル、中国で炎上も「対応する予定はない」リリースで述べた見解とは

    中国のSNS上では「次からアパホテルには泊まらない」とボイコット運動が起きている。

    1月15日、中国からの観光客がアパホテルの客室で見つけた書籍を中国SNS微博に動画で投稿した。

    動画に出てくるのはアパグループの元谷外志雄代表の書籍「本当の日本の歴史『理論近現代史学Ⅱ』」。南京大虐殺について「捏造であることが明らか」と書いてあり、慰安婦問題についても「中・韓が捏造した歴史」と触れている。

    この動画をきっかけに、中国のSNS上では「次からアパホテルには泊まらない」とボイコット運動が起きている。

    アパグループは17日午後7時すぎに「客室設置の書籍について」と題したリリースを出している。

    弊社ホテル客室に設置している『本当の日本の歴史 理論近現代史』等について、南京大虐殺を否定するものだとして批判的に取り上げる動画がインターネット上にアップされたことをきっかけに、昨日からご意見やお問い合わせをいただいていますので、ここで弊社の見解を述べさせていただきます。

     ご指摘のあった書籍は、本当の日本の歴史を広く知っていただくことを目的として、弊社グループ代表の元谷外志雄が「藤誠志」のペンネームで月刊誌『Apple Town』に連載している社会時評エッセイを1年分まとめたものに、まえがきとして解説を付して制作したもので、日本語の他に、英語訳も付いています。

     本書籍の中の近現代史にかかわる部分については、いわゆる定説と言われるものに囚われず、著者が数多くの資料等を解析し、理論的に導き出した見解に基づいて書かれたものです。国によって歴史認識や歴史教育が異なることは認識していますが、本書籍は特定の国や国民を批判することを目的としたものではなく、あくまで事実に基づいて本当の歴史を知ることを目的としたものです。したがって、異なる立場の方から批判されたことを以って、本書籍を客室から撤去することは考えておりません。日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならないと考えます。

    また、アパグループ側はこの騒動について、BuzzFeed Newsの取材に対して次のように答えている。

    ——ホテルの利用客から書籍について苦情などはなかったのでしょうか。

    これまで、書籍に対する苦情はわずかであり、むしろ評価していただくご意見を多く頂いています。

    ——書籍の中での南京大虐殺や慰安婦問題についての言及に関して、批判があります。これらの批判、そして苦情に対してどのような対応をするのでしょうか。

    何かしらの対応をする予定はありません。

    ——中国では「アパホテルのCEO が本を部屋から撤去しない限り、サービス提供を拒否する」とアパホテルの予約サービス中止を声明している旅行会社の報道もある。どのように対応されるのでしょうか。

    特に対応は考えておりません。

    ——2016年6月、アメリカ・ニュージャージー州に海外初のアパホテルが展開されている。海外にも書籍は設置されているのでしょうか?

    設置しています。

    17日の19時現在、アパホテルの公式サイトに繋がらない状態になっている。原因についてはこう説明する。

    「アパホテル公式サイトへのアクセスが集中したためサーバーが停止しています。詳細については現在調査中です」