東京アニメアワードが世界からの応募357作を審査せず 混乱のまま終了

    東京都は来年度も6300万円の予算を計上している。

    世界中からアニメを募集して開かれる映画祭「東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)」が、集まった作品のうち357作を審査しないまま終わった。運営組織内の対立で応募作の管理が宙に浮いたためだ。共催の東京都は来年度も予算を計上しており、対応を求めている。

    発端は昨年10月、主催する日本動画協会がTAAFのディレクターだった江口美都絵氏を解任したことだ。

    江口氏は「日本動画協会の不手際を指摘したことがきっかけとなった一方的な解任。受け入れられない」とし、協会と真っ向から対立。BuzzFeed Newsを含む複数のメディアに対しても同様の主張をしていた。応募プラットフォームを通じて集まっていた作品へのアクセス権を江口氏が管理していたことから、これらの作品の大半が審査未了となった。

    この問題は、アニメ情報サイト「おたぽる」が報道。5000万円の予算を計上して共催している東京都の音喜多駿都議もブログで大量の作品が未審査になっていることを「都から多額の公金が支出されている以上、傍観は許されない」と問題視してきた。

    BuzzFeed Newsは、日本動画協会に取材を申し込んできたが「早口でわからない」「メールでの取材は受け付けない」などと、いずれもFAXで質問への回答を拒否。最終的に開催期間中に会場でインタビューするアポを取ったが、当日になって「時間が取れない」とキャンセルの連絡があった。

    BuzzFeed Newsは、都側でTAAFを担当している観光部振興課の若林和彦課長に取材した。若林課長がTAAF事務局から受けた連絡によると、海外の応募プラットフォームに集まった530件の短編アニメ作品のうち、357件が審査未了のままで終わったという。

    都は、来年度のTAAFにも6300万円の予算を計上している。

    若林課長は「審査されないままに終わった作品は、来年度に審査の機会を設けるように働きかけている」と話した。

    UPDATE

    日本動画協会から23日午後、FAXが届いた。取材キャンセルについて謝罪の言葉とともに「取材につきましては、書面にて内容をご送付下さい。内容確認の上、書面にて対応いたします」と記されていた。