【参院選】その候補、国会で何してた? 発言ない議員が一目瞭然のデータベース

    発言回数や文字数まで、一挙に比較できます

    参院選の投票がすでに始まっている。誰に投票するか迷いますよね。

    そんな人は「23期参議院議員活動統計」をチェック!どの議員がどれだけ発言したか、文字数まで比較できます。

    本会議や委員会での発言回数や文字数で並べ替えることもできます。中には、一言も発言していない人も......。

    参院選への立候補者もリスト化されているので、投票前のチェックに使えます。

    実は議員の活動実績を調べるのは難しい。だから、投票意欲がわかない→そんな人こそ、このサイト。

    投票率が低い理由に「誰に投票したらいいのかわからない」「選ばれた議員がどういう仕事をしているかわからない」という点があります。

    確かにそうですよね。テレビや新聞で見たり、政治家のサイトやツイッターもありますが、誰がどんな活動をしているか、一目瞭然で比較できるサイトって、実はほとんどない。

    このサイトを公開している政治学者の菅原琢さんは、衆議院でも同様のデータベースを作っています。その意図について、私が2014年の衆院選で取材した時に、こう語っていました

    「国会議員の仕事は、その名前の通り国会で働くことです。しかし、だいたいの有権者は、自分の選挙区の国会議員が国会でどのような仕事をしているのかを知りません。国会議員の活動を知る手掛かりとして役立つよう、このサイトを公開しています」

    「国会議員の活動がネットに公開されるようになってきたのに、それらはバラバラに存在するだけで、一人の議員の活動を調べるためにぐるぐる回らなければいけないのが現状でした。そのため、議員同士を比べたりすることも難しいのです。一カ所で複数の情報にアクセスでき、他の議員と比較できるようなサイトがあれば便利です。これらのデータやリンク先を見ていけば、ある議員がどのような活動を行ってきたかを把握することが簡単になります」

    「また、こうして自分の活動が見られているのだと議員も意識するようになれば、『怠け』を抑制する効果がありますし、励みにもなるのではないかと期待しています。いずれにしても、有権者と国会議員の距離を縮めることができれば幸いだと思います」

    オススメの使い方は「党内での比較」

    菅原さんが注意を促すのは、「野党議員に比べ与党議員は質問の機会と時間が制限され、質問主意書も原則として提出しないため、同じ党・会派内で比較するのがよい」という点。

    その上で統計を見てみると、「同じ党の若手議員の中でも、発言機会をもらっていない人や、即戦力として働いている人、といったことがわかる。特に役職もないのに、国会での活動が鈍いベテラン議員なども確認できます」

    BuzzFeed Newsは菅原さんに改めて話を聞きました。

    参議院は衆議院と違って「解散」がなく、6年間じっくりと議論ができる「良識の府」と呼ばれます。統計から、そういう傾向は読み取れるんでしょうか。

    「衆参比較を目的としたサイトではないので、簡単にそれとわかる数字などが表記されているわけではありません。しかし、例えば、活動統計の表を見比べると、委員会発言がゼロの議員が参院では少ないということはわかります」

    「計算してみると、参院議員が1年間に委員会で委員として発言するのは平均7.76回、衆院議員は3.96回というように、倍くらい活動量が異なります」

    「これは衆院に比べ議員数が半分程度であることや、衆院のほうが役職就任者が多いことが関係しています。国会での質問を主目的に国会議員になりたいなら、参院議員になったほうがよいでしょう」

    こんな公開資料も。政治家のカネの流れの一端がわかる「政治資金収支報告書」。

    インターネット上には、候補者に関する様々な情報がありますが、バラバラで探しづらい。出所不明の情報もあって、悩む人は多いでしょう。「オススメの公開情報」を聞いてみました。

    「あまり注目されていないけれど、重要な公開情報」として菅原さんが挙げたのが、「政治資金収支報告書」。

    「政治資金収支報告書を見ると、国会議員の『政治活動』の一端を見ることができます。いつどのような場所で会議を行ったのか、政治資金パーティの収入がどれくらいあったのか等です」

    「都道府県選管に届けている政党支部や関連団体の報告書もあるので、確認したい議員が決まっているなら、都道府県選管のサイトもチェックするとよいでしょう」