ユニークな肌の美しさ 力強い美をとらえた24枚の写真

    美醜を決めるものは何か。

    美醜を決めるものは何か——。写真家ブロック・エルバンク氏は、これまで伝統的な美の価値観によって、陰に追いやられてきた身体に脚光を当ててきた。

    新しいプロジェクト#Vitiligoで取り上げているのは、白斑という症状がある人たちだ。一部の色素細胞がメラミンを作れず、肌が白く抜ける。どんな人種や性別でも発症する可能性がある。命に関わる病気ではなく、感染もしない。

    BuzzFeed Newsはエルバンク氏にインタビュー。ユニークで力強い美を示すこのプロジェクトの背景を聞いた。


    ロンドン在住のイギリス人写真アーティストです。ユニークな人物に自然と惹かれてきました。社会では欠点とされるものに美を見いだします。素晴らしい姿の人物に肯定的な光を当てます。

    昨秋、そばかすというプロジェクトを終え、アイデアをいくつか練っていました。主に肌に関するものです。論理的な続きだと思ったのです。6歳か7歳のころ、両手、両腕、首に白斑がある母の隣人がいたのを覚えています。いい意味で魅了されました。

    最近の全ての作品と同様に、狙いはシンプルです。白斑の力強く生々しい姿そのものに、多様な作品を創ることです。美しい人物の素晴らしい姿を称えるものです。

    みなさんには、こうした素晴らしい人たちを前向きで肯定的に見てほしい。あまりよく知らなかったり、見たことがなかったりすることでも、より広く受け入れてほしい。

    キャリアの始まりは、サンデイ・タイムズ・スタイルマガジンでのファッションの編集でした。素晴らしいイザベラ・ブロウ氏がいました。個性的なモデルがいつも好きで、メンズ・ファッションに力を入れ始めてから、ストリートモデルとの仕事で外の世界には素晴らしい主題がたくさんあると気づいたのです。

    ファッションは広告に変容していき、2004年にオーストラリアに移住しました。人物ポートレートのシリーズをより多く撮影するようになりました。2011年、いろいろなタイプのヒゲの撮影を始めました。それは#Project60につながりました。皮膚ガンの慈善団体Beardseasonのための啓発ポートレート写真シリーズです。

    次のプロジェクトそばかすはその後すぐに始まりました。取材記事のおかけで、今やっている作品での反応と同じように、ありがたいことに6500人以上から被写体になりたいという申し込みがあったからです。アルゼンチン、オーストラリア、中国、ヨーロッパ、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、アメリカといった各地から。2018年春に大型写真集を出す予定です。2018年5月、スウェーデンで展覧会を予定しています。

    現在#Vitiligo シリーズを始めてまだ数ヶ月ですので、まだ先は長いです。肌のシンプルな多様性を素晴らしいと思っています。まるで地図のようです。たいてい常に変化しているので、多くの人たちが数年後また来ると言ってくれます。どんな風に変わるか再び撮影するためです。

    私の全てのプロジェクトがそうですが、これもロンドンで始まりました。ソーシャルメディアの助けに感謝しています。特にInstagram。世界中から様々な背景を持つ人たちが、このシリーズのためにロンドンまで来てくれます。とても謙虚な気持ちになります。こんなに多くの素晴らしい人たちにお会いできるなんて、幸運です。みなさんがそれぞれのストーリーをお持ちですが、共通の絆もあるんです。

    ソーシャルメディア上でプロジェクトが大きくなって、メディアの力もあって、より多くの非常に秀でた方たちが被写体として表現してくれています。

    どんなシリーズも進めていくうちに個人的なものになります。さきほど触れましたように、母の隣人に白斑がありました。40年近くも昔の記憶が呼び覚まされます。主題にどっぷり浸かると、まるで大きなファミリーのような、全くのサブカルチャーに突き当たります。本当に素晴らしい。

    私が特に好きなエピソードは、私の誕生日にあった撮影です。バシールさんはアフリカ系で、頭の真ん中から縦に白い髪があって、鼻へと続いています。胴にも白斑があって、これまで撮影した中で、最高に素晴らしい方でした。

    お話しするのも楽しく、生まれたときからどうだったか、周囲の人が自分の素晴らしい外見にどう反応するかを説明してくれました。撮影する人とは、初対面なものですから、いつも1時間ほどお話しします。主題を知り、その動きを理解します。興味深いことに、世間からは、みなさん同じような経験を受けているようです。今まで参加してくださったみなさんと同様に、バシールさんはすごいエネルギーをお持ちでした。

    このプロジェクトはまだ先が長いですが、オンライン上で話題になり、多くのみなさんが参加したいと言ってくださるので、最終的に、あらゆる地位や職業の人たちの多様性のあるポートレート集になりそうな気がしています。


    エルバンク氏の作品はInstagramサイトで見ることができる。

    この記事は英語から編集しました。