その店舗数は70以上、メニュー数は1000種類以上にものぼるというーー。
西武ライオンズの本拠地、メットライフドームの話だ。
プロ野球は、野球がめちゃくちゃ上手い人たちが全力でぶつかり合うので、球団ごとに力の差は(たぶん)そんなにない。
よって優勝チームだって4割以上は負ける。
だから僕ら野球ファンは「負け試合をいかに楽しむか」も大事なのだ。
その点で西武ライオンズは素晴らしいチームだと思う。
埼玉県・所沢市にある本拠地メットライフドーム(メラド)には、グラウンドをぐるりと囲むように70店舗もの専門店が出店している。
クラフトビールがあったり、窯で焼いてくれるピザがあったり、料理はどれも本格的。
しかもこの種類の多さ。1000以上のメニューがあるらしい。1日では全部見て回ることすら難しい。
これはもはや埼玉県有数のグルメスポットである。
現地観戦した試合でたとえ先発投手が早々に崩れ、1回表で点差がついたとしても問題ない(と思う)。
「よし、今日はメシを食うぞ」と別の楽しみを見い出せるから。
たまに目的をご飯に切り替えた後に逆転してくれることもある。そんな日はとても得した気分になる。
というわけで、メットライフドームのおすすめグルメを紹介したい。
所沢出身、西武線沿線にしか住んだことのない筆者がよく買うメニューを挙げていく。
日本豚園の「豚丼」と「豚汁」
開幕直後や9月下旬以降の肌寒い時期に食べたくなるのが豚汁。
具材がごろごろ入っていて温まる。うどんとかそばみたいな麺類もありなんだけど、他にも食べたいものがたくさんあるので豚汁がちょうどいい。
そして同じところで買える豚丼もうまい。香ばしくタレ味に焼かれた豚バラがどっさりと乗った丼を食べると「野球場っていいなあ〜」って思えてくる。
L's Kitchen CENTRALの「獅子リアンライス」
これはなんと辻監督がプロデュースしたメニュー。監督の出身地である佐賀県のご当地メニューである「シシリアンライス」をアレンジしている。この辻監督のカード、もう何枚たまっただろう…。
ご飯の上にレタス、甘辛く炒めた牛肉、パプリカ、きのこなどがどっさりと乗って、トマトとチーズ、マヨネーズがかかった味わいは、メキシコ料理っぽさもあり癖になる美味しさ。
もつ煮の影千代の「トロもつ煮(赤)」
1塁側の座席を取ったらぜひ食べてほしいのが、このもつ煮。影千代の「トロもつ煮(赤)」はピリ辛でとてもおいしい。お酒がほしくなっちゃいますね。
BACKYARD BUTCHERSの「フライドソイチキンサルサ」
ここは西武ファンにはおなじみ。元選手の米野智人さんがオーナーを務めるお店。球場グルメでは珍しい「ヴィーガン料理」が食べられる。
なかでもフライドソイチキンはまるで本物の鶏肉のよう。いや、むしろ鶏肉よりもプリプリの食感。ぜひお試しください。
ここでお買い物をすると、タイミングが良ければ米野さんと一緒に写真が撮れる。
提灯酒場 球兵衛の「うずらにんにく醤油漬け」
うずらにんにくはとりあえず買う。とにかくニンニクの量がすごいけど、それがたまらない。
L's CRAFTの「ブルームーン」
メットライフドームのドリンクといえば本格的なクラフトビール。ブルームーンはフルーティーでとても美味しい。
宮木牧場の「メヒアのパワープレート」
人気の助っ人外国人選手、エルネスト・メヒアのプロデュースメニューはボリュームたっぷりのパワープレート。お腹が空いてるときはこれがおすすめ。
メヒア選手の大好物である牛ステーキ、マッシュポテト、サラダをワンプレートにしてある。もちろん選手カードももらえる。
後半戦に入ったら、メヒアのパワープレートはどうなっているのだろうか。
CRAFT BEERS OF TRAIN PARKの「フィンガーステーキ&ポテトチップス」
これは今年登場した新メニューで、小ぶりなステーキフリットと分厚いポテトチップのセット。サルサソースにつけながら食べると美味しい。ビール派の人には絶対おすすめしたい。
ここまで好きな食べものを紹介してきたけど、種類が多すぎてとても網羅しきれない。
ぜひ他の西武ライオンズファンの方の意見も聞いてみたい。
ライオンズファンといえば……この方にも聞いてみた。
Twitterを中心に西武ライオンズやメットライフドームグルメについて発信している「も⚾」さんである。
西武ライオンズのファン歴は20年以上。
きっかけは小学校1年生のとき。甲子園の中継で見たあの松坂大輔が地元球団に入団。そこから親に頼み込んで月に1回は現地で観戦するようになったそうだ。
会社員として働く現在も、月に数回はメットライフドームを訪れ、野球とグルメを楽しんでいる。SNSでは西武ライオンズの球団や選手にまつわるさまざまなデータをまとめあげ、他のファンからも一目置かれる存在だ。
そんなも⚾さんの選ぶメットライフドームのグルメとは?
も⚾:まずは「L's CRAFTのピザ全般」です。球場で窯焼きのピザが食べられるなんて恐らくメットライフドームだけでしょう。
調理済みのものを出すことが多い球場グルメ界にとって革命だと思います。いつも熱々でクラフトビールによく合うので最高です。特にオススメなのはグリルドトマトのピザですね。
も⚾:そして「グリーンフォレストの牛フィレステーキ」。とにかく肉が柔らかく、まるでホテルのような高級感。
付け合せのポテトやライスとの相性もよく、この一皿でお腹いっぱいになって大満足です。
も⚾:お肉が続きますが、「宮木牧場のローストビーフ丼」もおすすめです。グルメがここまで注目される前からライオンズファンの胃袋を支えてきた人気メニューです。
単純にローストビーフが美味しいだけでなく、タレがよくマッチしている。タレとご飯だけでも十分に食べられそう。こちらもビールによく合います。
も⚾:ややハイカロリーなメニューが多い中で、アッサリ系のおすすめメニューが「金子侑司プロデュース 明太子クリームパスタ」です。
パスタがしっかり茹でられている上にシラスと湯葉がとても合う。混ぜれば混ぜるほど美味しいです。
も⚾:おやつには「埼玉食道の味噌ポテト」がおすすめです。これは埼玉らしさを感じられる秩父の名産品。
ポテトのサクサクと甘じょっぱいタレが絡み合って病みつき間違いなしの一品です。
あらためて、も⚾さんの考えるメットライフドームの魅力、西武ライオンズの魅力について聞いてみました。
も⚾:メットライフドームは(ドームなのに側壁がないため)「壁なし」とよくバカにされますが、雨を防ぎながらも開放感を味わえるとても良い球場だと思います。
そしてグルメを味わえたり、試合後にグラウンドに降りられたり、子ども用の遊ぶスペースがあったりと、野球に詳しくない人でも楽しめる「ボールパーク」に進化していくのが楽しみになります。
も⚾:ライオンズという球団自体で言うと、主力選手が毎年移籍しがちなため若手選手に期待を寄せるシーンが多いかと思います。
怖いもの知らずで相手に立ち向かっていく若手の姿を見られることが、ファンにとって大きな楽しみだと感じています。
コメントありがとうございましたーー。
非常にバランスの良いグルメの数々を紹介していただきました。
野球にはそんなに興味がないという人も、よかったらご飯を食べに遊びに来てみてはいかがでしょうか。
あるいはTwitterで「#獅子まんま」というハッシュタグを検索してみるといいでしょう。
きっと好きなものが見つかると思います。空腹時は注意ですが。
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