牛乳パックを活用! 家庭でノロウイルスを広げない 感染症の専門家がアドバイス

ノロウイルスの家庭内感染を防ぐのは「無理ゲー」なイメージがあります。いえ、家族みんなで気をつけることで、感染の可能性を低くすることができるのです。

今シーズン、過去最大級の猛威を振るっているノロウイルス。嘔吐や下痢の症状が出ると、その嘔吐物や便から感染が広がります。また、症状がない人でもウイルスを排出していて、気づかぬうちに広がることがあります。

ノロウイルス感染を防ぐには、念入りに手洗いと消毒をすべきなのだが・・・ 時事通信

BuzzFeedでは先日、ある保育園が集団感染を防ぐためにしている独自の工夫を紹介する記事を出しました。それに対し、感染症の専門家から「科学的な予防効果が検証できていないものがある」と指摘をいただき、修正しました。

丁寧な手洗いと適切な汚物処理ーー感染を防ぐためにやるべきことは決まっています。保育園や病院などの施設が独自の対策を過信すると、感染が防げないばかりか広がる恐れもあります。一方、家庭では、乳幼児が動き回って嘔吐物をまき散らしたり、人手が足りず十分に消毒ができなかったり、住宅事情により感染者を隔離できなかったり。「自己流」の対策になりがちですが、感染を食い止められることもあります。

現実的かつ正しい対策は。国立国際医療研究センターの国際感染症センターで感染症対策に取り組む堀成美さんに詳しく聞きました。

吐く前にできること

まず、体調が優れなければ出かけずに安静にし、休養を優先する。

仕事や学校に行かなければならない、と頑張ることで、感染を広げかねないからだ。

「人間は、突然吐くことはまずありません。子どもでも何らかの予兆があるはずです。知られているのは吐いた後の対処法ばかりですが、吐く前にできることがあります」

動ける人なら、人のいないところに移動する。

自宅にトイレが2カ所以上あるなら、体調が悪い人が使うトイレを決める。タオルを別々にしたり、ペーパータオルを活用する。

動けない人なら、吐いても大丈夫なように準備をしておく

重要なのは、嘔吐物が漏れないようにすることと、他人から見えないようにすること。家庭にあるもので利用しやすいのは牛乳パック。防水性が高く丈夫で、廃棄しやすい。嘔吐物が外から見えないので、介助する人の気分が悪くなることも防げる。上の部分を開き、患者の口に密着させることで、ウイルスをまき散らしにくくなる。捨てるときは上からティッシュペーパーなどを詰める。

スーパーのレジ袋を使う場合は、他の袋と併用したり新聞紙など吸収剤になるものを入れたりすることで漏れを防ぐ。

牛乳パック(右)のほか、洗剤の空き箱(左)でも。レジ袋をかぶせると、漏れをより防げる。 Akiko Kobayashi / BuzzFeed

吐いた後にできること

厚生労働省によると、ノロウイルスを広げないための正しい処理方法は以下だ。

床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等(市販される凝固剤等を使用することも可能)で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。

「家庭では、ここまでしなくても大丈夫」と堀さん。

ここでも牛乳パックは使える。牛乳パックを開いてちりとり代わりにし、ヘラの要領で嘔吐物をこそぎ取る。ペーパータオルや新聞紙よりも拭い漏れが少なくて済む。

牛乳パックちりとり

牛乳パックの上の部分を切り落とし、T字に切れ目を入れ、ひらく。 Akiko Kobayashi / BuzzFeed

塩素溶液(次亜塩素酸ナトリウム)に浸したペーパータオルなどで吐いた場所を覆う消毒方法は、床やカーペットの素材によっては難しいことがある。消毒液を作っている間に子どもが嘔吐を繰り返すこともある。手軽に噴霧する消毒液なども市販されてはいるが・・・。

「消毒液の噴霧は、効果が薄いばかりか、吸い込むことによる健康への害や、ウイルス巻き上げのリスクがあるので勧めません。カーペットや洋服を台無しにしてまで塩素溶液に浸すかどうかは、ケースバイケースの判断でよいと思います」

堀さんによると、ウイルスが100あるとしたら0にすることはできないが、80や40に減らすための工夫はできるという。

Taro Karibe / Getty Images

感染する可能性が高い場所は、トイレのドアノブなど手指で直接触るところだと考えられている。体調が悪い人は、汚物に触れた後の手で触らないようにする。家族は、体調が悪い人が触りそうなところを重点的に消毒したり、触らないようにしたりする。そうした努力の積み重ねが、リスクを下げる。

「リスクは100かゼロかではないし、万全な対策もありません。普段から体調管理に注意し、みんなで意識して対応することが重要です」


【修正した記事はこちら】

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