とっても幸せな食卓が、栃木県那須町の長楽寺にはあります。
食事の時間になると住職の周りに集まってくるのは、長楽寺の寺猫ミー子とその子どもたち3匹。
住職のひざの上、両サイドのひじかけ、さらに背もたれのすき間にまで入り込み、住職さんに甘えています。
みんなが狙っているのは、住職が「おすそ分け」してくれるおやつのカリカリ。
大体の場合、暗黙の「猫ルール」でひざの上の特等席をゲットするのは母猫のミー子。
ちょっと食べづらそう……と心配になりますが、住職さんは「別に全然食べづらくない」そうです。
住職の奥さんによると、ミー子が長楽寺にやってきたのは7年ほど前。
まだ生後3カ月程度のころ、近所の小学校に捨てられていたミー子を家族に迎えました。
以来、住職が「親猫がわり」となってミー子を育ててきましたが、震災の年、ついにミー子もお母さんに。
マー君、ヒーちゃん、シロが新たに家族に加わったそうです。
ペットとのお別れを大切にしたいという人のために、ペット供養の要望にも対応している長楽寺。
「お寺だからといって、高尚なお説法とかはないんですよ」と言いつつ、住職と奥さんはこう話します。
「私たちは人様の最期を送り出す仕事をしていますが、ペットと一緒に暮らすということは、命を預かるということ。
命を預かるということは、最後まで見届ける自覚と覚悟を持たないといけない。その命と一緒に最後まで生きていかなければいけないですよね」