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「ゴミの分別」ちゃんとしてますか? 廃棄物を80種類に分別する“とある工場”から学ぶこと

分ければ資源、混ぜればゴミ。

「ゴミの分別ってなんだか大変…」

そんな方、多いのではないでしょうか? まだ街中でも、分別されずにゴミが捨てられている光景をよく目にします。

そんな中、廃棄物を80種類にも分別して100%リサイクルを達成している画期的な工場があるんです!

それが、積水ハウスの「関東・資源循環センター」

そのすごさを探ってきました🔎


工場ここがすごい!① ゴミを2次元バーコードで管理

この工場では、建築現場から廃棄物を送ってもらう際、現場の職人さんの協力で27分別して袋詰めしてもらい、その内容に応じた27種類の2次元バーコードをつけてもらっています。これらを工場で読み取るだけで、廃棄物の素材や重さ・量などが一目瞭然というわけなんです。

現場で余ってしまって工場に戻った建材の量なども、どこの現場か・どんな住宅商品かがトレースできるので、「次からは必要な分だけ納品しよう」といった無駄を減らすための議論ができるようになったんだとか。

その甲斐もあって、もともと住宅1軒あたり3トン以上の廃棄物が出ていたところを現在半分以下の1.4トン弱にまでおさえられるようになったのだそうです。

工場ここがすごい!② ゴミを80種類に分別

「分ければ資源、混ぜればゴミ」とよく言われますが、この工場では27種類に分別されて搬入された廃棄物を、さらに80種類もの素材に分別して資源に生まれ変わらせています。

普段、燃えるゴミとプラゴミを分けるだけでも一苦労ですよね…。それなのに、この工場ではプラスチックだけでもなんと約60種類に分別しているそうです!👀

工場ここがすごい!③ 廃棄物の95%が「素材」として復活

リサイクルと一口に言っても、いくつか種類があるってご存知でしたか?

  • モノ→モノにリサイクルする「マテリアルリサイクル」
  • モノ→化学物質に転換して再利用する「ケミカルリサイクル」
  • モノを燃料として使う「サーマルリサイクル」


の3種類です(※)。資源循環センターでは、このうち「マテリアルリサイクル」と「サーマルリサイクル」を組み合わせて100%リサイクルを実現しています。

※経済産業省「3R政策」調査資料参考

中でも、特筆すべきなのがマテリアルリサイクル率95%だということです。素材に戻しにくいものは燃料にしていますが、ほとんどすべての素材を「素材として再利用」しているのがこの工場のすごいところ。

▼ケーブルを3種類に分別し、さらにそのうちの1種類を切断して細かく砕き、機械にいれて塩化ビニールと銅に分別する様子です。


それにしても、どうしてここまで徹底してリサイクルに取り組むのでしょうか? 広報の井阪さんによると、それは積水ハウスの根底に「環境は未来から借りているもの」という考えがあるからだといいます。

「今の世代が好き勝手やって将来の世代に対して負担をかけるのはおかしいよねっていう話で。ちゃんと借りたものはきれいにして返す責任がある、ということだと思います」

同社は、1999年に「環境未来計画」を発表してから、環境への配慮を経営の基軸に据えてきました。

ただ、資源循環センター担当の田中さんによると、現在のように100%リサイクルを達成するためにはさまざまな困難があったそうです。

弁当のゴミを送り返す日々

田中「18年前くらいかな…廃棄物を27種類に分別しはじめたばかりの頃は、当然職人さんの手間がかかりますので反発の声もありました。また、建築現場から回収するゴミの中に一般廃棄物のお弁当や飲み物のゴミも混ざっていたんです」

まだ取り組みが浸透していない頃、お客さんを連れていた営業マンなどが回収を気にせずいろいろなゴミを現場で捨ててしまっていたのだそう。

田中「弁当ゴミが入ってくると送り返していましたね。そして、『あなたの事業所の現場から届いたものに、こういうものが入っていました。該当者を見つけて反省文を書いてもらって提出してください』と伝えていました。今考えると非常に申し訳ないことをしたなと思っていますけど…」


「職人さんのための工場見学」を実施

弁当ゴミを送り返すなどして、地道に現場を説得する日々。そんな中、ターニングポイントとなったのは「職人のための工場見学」を実施したことだといいます。


田中「この活動を理解してもらうために、一番早いのは資源循環の施設を全員に見てもらうことなんじゃないかと思いまして。延べ200以上のバスを手配して、毎日職人さんに見学に来てもらいました」

田中「最初工場に来たとき、職人さんの中には『なんで来なきゃいけないんだよ』みたいな感じの方もいらっしゃいました。でも、工場の従業員が一生懸命手を動かしている姿勢が伝わると、帰るときには『ちゃんとやるからよ』みたいな感じでバスに乗り込んでくれるんです。工場見学後は、非常にきれいに分別されたものが現場から送られてくるようになりました。

バス代とか職人さんの時間とか取ってしまいましたけれども、資料とか言葉だけではなく、生で感じていただくことで伝えられたというのは大きかったですね。ここに来てくれた職人さんたちが、今も現場での27分別を支えてくれています」

ゴミ分別のモチベーションを高めるには?

紆余曲折はあったもの、現在は100%リサイクルを誇る資源循環センター。私たちの身近な生活に活かせそうな学びはあるのでしょうか?

田中「達成感がある施策が重要だなと思いました。実際、量を減らしてくれたり、分別の質が良くなった事業所に対しては振替単価(※)をリーズナブルにするなどのメリットを工夫しました。普段の買い物でも、ゴミが最終的にどうなるっていうことがパッケージの表示などでわかればいいですよね」

※振替単価:社内の異なる事業部間で取引きが行われるときの取引価格のこと

井阪「資源循環センターに来るたびに感じることは『気持ちいい』ってことですね。これをみなさんに伝えたいです。ちゃんと分別するのって、すごいスッキリするし、楽しい。それに分別せずに燃やしてゴミになってしまうのは、なんとなく罪悪感があるじゃないですか。スーパーなど、資源を回収しているところって意外と身近にあるので、楽しみながら探してみてください」

目的を意識して、楽しみながら取り組む。そうすれば、ゴミの分別も苦にならないのかもしれません。みなさんも是非、分別する気持ちよさを味わってみてください🌱✨