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「育休をとりたい」と男性部下に言われたら...上司がいますぐやるべき7つのこと

「育休?もちろん!」と歓迎する上司も、心の中は不安でいっぱい。業務をどう分担する? 復職をサポートできる? 部下の育休をスムーズに進めるポイントをまとめました。管理職も、これから育休をとる人も必読です!

「妻が妊娠しました。育休を取得したいです」と部下から報告を受けたら、あなたならどう返しますか?

育児・介護休業法の改正後は、育休はより取得しやすくなり、いわゆる「男性版産休」も創設されます。

「制度になじみのない上司の立場では、当惑するのは当たり前。そんな局面でうまく対応できるかどうかが、上司世代には問われています」

そう話すのは、大正大学心理社会学部准教授の田中俊之さん。上司のための7つのアドバイスを紹介します。

1. まずは「おめでとう!」

部下と一緒に喜びましょう。「男性なのに育休?偉いね」などと過剰に褒めたり、「俺のときは子どもの寝顔しか見られなかった」などと過剰に懺悔したりしなくて大丈夫!

男性部下から「育休を取りたい」と言われたとき、上司がびっくりするのは当然です。それは、世代間や働き方のギャップによるものです。

今でこそ共働き世帯は6割を超えていますが、1980年代までは少数派でした。

家事や育児は専業主婦やパート勤務の妻に任せ、夫は際限なく働けるという前提のもと、多くの上司は残業、休日出勤、転勤などを受け入れてきました。共働きが前提となっている部下世代との間に意識差があるのは当たり前です。

育児をしたい男性に嫌がらせをする「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」という言葉が知られるようになってきました。

男性の育休を頭ごなしに否定してはいけないという認識は浸透してきていますが、自身の経験や価値観に沿って無自覚にした言動がハラスメントにあたるとして異議申し立てされるケースも増えています。

まずは、世代間でギャップがあるのだという知識をもち、部下の状況をそのまま受け止めることが大切です。

2. 「奥さんは?」はNGワード

配偶者の職業や事情を聞く必要はありません。配偶者の性別や職業の有無に関わらず、育休は取得できます。

2010年までは、労使の取り決めがあれば、配偶者が主婦(主夫)の場合には育休を認めないことが可能でした。そのため、育児に専念できる人がいるのなら育休は取れないだろうという誤解がいまだにあるようです。

考えてみてください。女性の産前産後休業は、労働基準法による母体保護による、身体を休めることに専念すべき期間です。その間に、新生児の面倒をみなければならない、あるいは家族のための家事までしなければならないというのは、母親にとっては最悪の状態だったわけです。

今回、子どもが生まれた後、8週以内に計4週までの休みが取れる「男性版産休」ができたことで、この最悪の状態を防げます。

上司は「男性版産休」ができた背景や理由について、よく理解しておく必要がありますね。

3. 育休期間を確認しましょう

「パタハラと思われるのでは」と気にしすぎて、業務に関わる重要な情報を聞き逃してしまっては支障が出ます。休業期間や、業務の引き継ぎについてしっかり確認して事前に備えましょう。

改正法では育休は2回に分けて取得できます。有給休暇とつなげる希望があったり、育児休業給付金を申請したりと、細かな手続きが必要になります。

しかし、管理職世代の男性と話していると、「育児休業の制度があるかどうかは会社による」「育児休業給付金は会社が支払っている」と思い込んでいる人がたまにいます。

正確には、育児休業は法律で認められており、育児休業給付金は雇用保険に加入している労働者に支給されます。

2025年4月からは、従業員数1000人超の企業では育休取得状況の公表が義務付けられますから、企業は管理職に対して、国の制度と自社の運用について説明する研修などを実施するとよいですね。

また、私が研究している「男性学」の観点でいうと、管理職世代の男性は、知らないことや苦手なことでも「自分が解決しなければならない」と抱え込みがちです。

ひとりで対応しようとせず、人事部につないだり、部下の育休を経験した別の管理職に相談したりすることで、有効なアドバイスがもらえるはずですよ。

積水ハウスでは、育休取得の時期や家事育児の分担を話し合い、計画を立てるための「家族ミーティングシート」を、上司とのコミュニケーションツールとしても活用しています。

積水ハウスの「家族ミーティングシート」は、画像をクリックするとダウンロードできます

4. チームへの共有は慎重に

男性育休の場合、妊娠中の従業員の体調に配慮する機会がないため、同僚への情報共有のタイミングが難しいところ。部下の意向を尊重しましょう。

改正法では、育休は「原則休業の2週間前」までに職場に申し出ればよいことになっています。

上司としては、部下の業務をどう分担しようか、引き継ぎをいつ設定しようか、と焦る気持ちはわかりますが、職場に公にするのは部下の同意を得てからにしましょう。

部下の意向を把握できない上司、部下の立場を尊重できない上司は、育休に限らず、マネジメントにおいてさまざまな軋轢を起こす可能性があります。男性だけで構成された均質的な集団でつくられた価値観は通用しなくなっています。

育休については、仕事ひとすじだった男性上司が、育休を取得したい部下のことを経験上は理解できるわけがありません。自分は経験していないけれど、なぜ部下がそう希望するのか、相手の目線に立って考えられるかどうかが極めて重要です。

同性に対して想像ができるようになると、自ら経験し得ないことにも想像がおよぶようになります。妊娠・出産は女性にとってどれほど大変なのか。外国籍の人、多様なジェンダーやセクシュアリティの人はどんな思いで働いているのか。

働き方や働く意識がどのように変化してきているかを上司が把握して対応できるようになれば、誰にとっても働きやすい職場をつくることにつながります。

5. 「育休中も働きたい」と言われたら

育休中も働くことはできます。ただし、上司が一方的に業務をふることはNGです。

改正法では、労使協定を締結し、労働者が合意した範囲で、育休中でも限定的に働くことができます。

外せない業務があることが育休取得のハードルになっている場合には、こうした柔軟な対応によって、育休を取りやすくなるでしょう。

誰もが1日8時間 / 週5日フルに働くべきだという前提を崩し、多様な働き方を推進していくきっかけにもなりますね。

ただし、業種によって対応できるかどうかは分かれますので、上司と部下が事前にしっかりコミュニケーションすることが大切です。

6. 復職後のことを聞かれたら

「早く帰れるようにしておくよ」と配慮したつもりが、裏目に出ることも......。復職後にどのような働き方をしたいかは、部下それぞれで事情が異なります。

上司が「誰もが出世したいはずだ」と思い込んでいるとしたら、それは誤解かもしれません。逆も然りです。

女性の育休でも同じですが、復職後は子育てを優先して業務を軽めにしてほしい人もいれば、キャリアを諦めたくないという人もいます。「子どもを産んだ女性はこうだ」「育休を取る男性はこうだ」といった固定観念で接すると齟齬が生まれますので、ひとりひとりに相対していかなければなりません。

上司は経験が評価されて偉くなっているのでしょうが、いま目の前で起きてるのは、その経験則が通じないことです。

個別のニーズに対応するのは大変ですが、新型コロナウイルスによる在宅勤務を通してわかったように、多様な働き方を選べる職場は結果的に、効率的な職場になりえます。

7. あなたも休めることを知りましょう

部下が育休を取得したら、次は上司が介護で休むかもしれません。誰もが休みやすい職場環境を整えることは、みんなが働きやすい職場につながります。

育休に限らず、趣味であれ何の理由であれ、「プライベートな事情で仕事に穴をあけるなんて許されない」という気持ちがどこかにあってストレスを感じるのだとしたら、自分のことを想像してみてください。

10年後20年後に会社を辞めたとして、どんな人生が待っていますか? 仕事中心ではない生活を想像できますか?

もし何も思い浮かばなかったとしたら、あなたの働き方を見直すチャンスが、部下の育休をきっかけに訪れたということです。

具体的に「友達と遊ぼう」「映画を観て過ごそう」などやりたいことが浮かんだのなら、明日にでも有給休暇を取って実行していいんです。

上司自身が「プライベートな事情で仕事に穴をあける」という経験をしてみることで、誰もが休みを申し出やすい職場環境になり、結果的に上司自身の幸せにもつながります。

日本でも男性の育児休業取得が
当たり前になる社会へ

積水ハウスは「よりよい社会をともに考えるきっかけにしたい」という想いから、男性育休を推進する活動を行っています。2018年に「男性社員1ヶ月以上の育休完全取得」を宣言し、翌年より対象者の取得率100%を継続中です。

今後も男性育休推進に関する様々な活動を行っていきます。

男性育休に関する積水ハウスの取り組みの詳細はこちら

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9月19日の「育休を考える日」に合わせ、BuzzFeed Japanが積水ハウス株式会社と制作した育休について考えるオンラインイベントみんなを幸せにする"男性育休"とは? #育休を考える日はTwitter(@BFJNews)より配信中です。

【9月19日17時配信⚡️】 男性の育休取得、一緒に考えませんか? 📺みんなを幸せにする"男性育休"とは? #育休を考える日 ゲスト:犬山紙子( @inuningen)、劔樹人( @tsurugimikito)、田中俊之( @danseigaku) MC:岩崎由夏( @yuccaaaa ) //sponsored by 積水ハウス https://t.co/fxPYYmGmf2

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みんなを幸せにする”男性育休”とは?#育休を考える日

【出演者】犬山紙子(エッセイスト)、劔樹人(ベーシスト・漫画家)、田中俊之(社会学者)、林宏史朗(積水ハウス株式会社 埼玉南シャーメゾン支店 店長)、MC : 岩崎由夏(YOUTRUST代表)

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【提供】積水ハウス株式会社