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当事者の5人に1人が「LGBT」という言葉を知らない。高校生1万人調査でわかった6つのこと

周囲の偏見を感じているLGBT当事者は、約半数。自分をわざと傷つけたことがある人も、3人に1人を占めた。

性的マイノリティの10代は、どのような悩みを抱えて暮らしているのか。現役高校生およそ1万人を対象に、いじめや偏見の実態を聞いた調査結果が3月19日、発表された。

調査で明らかになったこと

調査をしたのは、三重県男女共同参画センターと宝塚大学看護学部の日高庸晴教授。2017年10〜12月にかけて、三重県の県立高校(全日制)49校に通う高校2年生約1万人にアンケートを実施した。

現役の高校生を対象に、これだけ大規模に性的マイノリティを取り巻く学校生活やいじめの現状について調べた調査は稀。

日高教授はBuzzFeed Newsの取材に「当事者が感じている偏見や孤立感を具体的に数値化できたことに価値がある」と言い、「まずは先生方に性的マイノリティについて知ってもらい、当事者が肯定的な情報を入手する場として学校が取り組みを始める契機になれば」

調査を通じて明らかになった6つのポイントは、以下の通り。

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調査の結果、同性愛者・バイセクシュアル・トランスジェンダーを指す「LGBT」は全体の2.8%(281人)、心の性が定まっていない・わからない「Xジェンダー」は5.0%(508人)、好きになる人の性が「わからない」と答えた人は2.1%(214)で、合わせて計10%を占めた。

今回の調査では、上記の3分類を合わせて「LGBT当事者」として分析している。

「わざと自分の体を傷つけたことがある」と答えた非当事者は12.0%だった一方、LGBT当事者は31.7%に達した。

他にも「むしゃくしゃしてものを叩いたり壊したりしたことがある」「全てが嫌になる程悩んだことがある」などの項目でも、LGBT当事者の方が非当事者よりも高い傾向を示した。

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今回のアンケートでは「いじめ」の経験を具体的に細分化して調査。「殴る、蹴る、怒鳴る、脅すなどの行為をされた」「無視や仲間外れにされた」など全ての項目で、LGBT当事者の方が高い割合の結果が出た。

「女/男らしくない、ホモ、レズ、おかまと言われた」ことがあるLGBT当事者は29.3%で、非当事者も9.7%だった。性に関するステレオタイプや偏見が定着している現状が伺える。

「『LGBT』や『性的マイノリティ』という言葉を知っているか?」という問いに対して、「知っている」と答えた非当事者は44.7%、LGBT当事者は63.2%と、当事者の方が認知度高い結果が出た。

その一方、当事者の中でも「言葉は知っているが内容は知らない」と答えた人が18.4%、「言葉も内容も知らない」と答えた人は17.8%と一定数いた。さらなる情報発信が必要な現状も垣間見えた。

アンケートに答えたLGBT当事者の47.7%が、「周りの人たちの多くは性的マイノリティに偏見を持っていると思う」と答えた。非当事者も34.9%が、偏見はあるのではないかと答えている。

「性的マイノリティ」について誰かに相談したことがあると答えたLGBT当事者は、全体の7.7%。相談したことがないと答えた人は、87.8%と大多数を占めた。

他にも「学校には自分にとって安心できる場所がある」と答えた当事者は36.9%、「いざという時に力になってくれる友人や先生がいる」と答えた当事者は46.8%と、学校における孤立感も垣間見えた。

BuzzFeed JapanNews