心が軽くなる魔法。“自分のちっぽけさ”を感じる旅

日々気にしていることも、本当は小さなことなのかもしれません。

日本はじまりの地と言われる、奈良・大和。この土地には、長い長い歴史が積み重ねられています。

自分の生きている時間よりずっと長い時間がこの世界に流れている。そう考えると、なんだか心が軽くなったりしませんか？

たとえば、このお寺。

“日本の心の故郷”とも言われる明日香村に位置する、岡寺です。

あなたが40歳だとすると… 岡寺の鐘は約210歳。

210年前というと、あなたのおばあさんのおばあさんのおばあさんが生まれた頃と同じくらい。ずいぶんと昔です。

この梵鐘（ぼんしょう）はその頃から厄除けや平和祈願のために鳴らされ続けています。

この美しい装飾も、私たちが生まれるよりずっと前に造られたものです。

岡寺のご本尊が安置されているこの本堂は、奈良県の指定文化財。

ご本尊の如意輪観音菩薩座像は、土でできた仏像の中では日本最大です。大きな仏像の前に座って美しい装飾を眺めていると、心が癒されます。

万葉集にも登場するお寺がここに。

万葉集や源氏物語にも登場する、長谷寺（はせでら）。紫式部や清少納言など、歴史上の多くの文化人が憧れたお寺です。

風が吹き抜ける広い本堂に圧倒されます。

国宝にも指定されているこちらの本堂は、約375年前に再建されました。

広い本堂には風が吹き抜け、そこにいるだけで気分が晴れやかに。高台に位置しているため、外には絶景が広がっています。

今も昔も、観音様のもとには多くの人々が訪れています。

高さ約10mを誇る観音像は、約480年前にできたもの。日本最大級の木造観音です。

約1000年の歴史を持つ長ーい登廊。

平安時代、貴族の間で盛んだった長谷寺参詣は「初瀬詣で（はつせもうで）」として慕われていました。観音様のお告げをいただくために、古くから多くの人々がここ長谷寺にお参りに訪れたそうです。

当時の人たちの足取りを感じながら399段の石段でできた登廊（のぼりろう）をのぼると、心が落ち着きます。

深い山奥にあるこのお寺。

美しい緑に囲まれており、豊かな自然を楽しめる室生寺（むろうじ）です。

境内には、“千年杉”が。

背の高い杉に囲まれながら深呼吸して、自分のちっぽけさを感じてみるのもいいものです。

たくさんの仏像が並んでいますが、歴史はさまざま。

室生寺の金堂にはさまざまな年代の仏像が並んでいます。中央の釈迦如来立像は平安時代、手前に並ぶ小さな十二神像は鎌倉時代のもの。

異なる時代につくられた仏像たちはそれぞれ姿形も異なり、眺めていると時の流れを感じられます。

※修復や他所での展示のため、この仏像たちをそろって見れるのは今だけ（5/12まで）。

「三人寄れば文殊の知恵」で知られるお寺です。

安倍文殊院（あべもんじゅいん）は「三人寄れば文殊の知恵」ということわざの由来になった仏像があるお寺として有名です。

境内には、縁結びの神様も。

境内にある白山（はくさん）神社本殿は縁結びの神さまとして信仰が厚い社。

昔の人も、今と同じように縁結びの神様に祈ったんでしょうか。

古墳は飛鳥時代からずっとここに。

安倍文殊院にある文殊院西古墳は、全国に7つしかない国指定の特別史跡。中に入ることができる珍しい古墳です。

約1400年前、当時の人々が故人を偲んで美しく石を積み上げたのかと思うと、胸が熱くなります。

長い長い大和の歴史に比べたら…

私たちが日々気にしていることは、ほんのちっぽけなことなのかもしれません。

長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院… 奈良の歴史あるお寺を巡っていたら、なんだか心が軽くなった気がします。

一生懸命がんばるのはもちろん素敵ですが、たまにはこうやって息を抜くのもいいものです。

奈良大和四寺の壮大な歴史に癒される旅はいかがですか？

境内では、四季折々のお花も楽しめます。ぜひ一度足を運んでみてください！

〈巡礼モデルコース〉

★総本山長谷寺・室生寺コース

★岡寺・安倍文殊院コース

＊効率よく巡りたい方向けのバスプランも