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【平昌五輪】スノボ銀メダル獲得を支えた、裏方の知られざる4年間

五輪に4度参加したコーチが語る、メダル獲得の舞台裏

2月14日に開催された、平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプ決勝。金メダル候補である平野歩夢選手とショーン・ホワイト選手の激闘は、スノーボード史上に残る名勝負となった。

平野選手は五輪史上で初めて、縦横にひねりながら4回転する「ダブルコーク1440」の連続技を成功。その時点で1位となったが、ホワイト選手が最終滑走で逆転する劇的な展開だった。

惜しくも金メダルを逃したが、2014年のソチ五輪から2大会連続で銀メダルを獲得した平野選手。その躍進を支えた一人が、スノーボード日本代表コーチを務める治部忠重(じぶただしげ)さんだ。

スノーボードコーチとして五輪を4度経験

全日本スキー連盟に所属する治部さんはトリノ、バンクーバー、ソチ、平昌の五輪で日本代表コーチを歴任。4大会連続でスノーボード日本代表コーチを務めたのは、ひとりだけである。

コーチの仕事といえば、技術的な指導を想像する人は多いかもしれない。しかしそれは一部で、いわゆる“裏方”の仕事が大半を占めると治部さんは語る。

スノーボード日本代表を支えるコーチとは、いったいどんな仕事なのか。ソチ五輪から4年越しで選手を支えた、裏方たちの知られざる舞台裏に迫った。

この記事は、クライアントのビジネスを裏方としてサポートする、インターネット広告代理店・イーエムネットジャパンの提供でお送りします。(聞き手はイーエムネットジャパンの山本臣一郎CEO)

航空券も宿も手配する

山本:「スノーボードのコーチ」って、実際どんな仕事なのでしょうか。

治部:選手と一緒に演技の構成を考えたり、技術的なアドバイスをすることが、主な役割だと思われているかもしれません。

でも現在の私の役割で、それらの仕事量は全体の1〜2割くらい。では何をしているのかというと、選手が本番で力を発揮するための下準備がほとんどなんです。

日本代表チームは、1年にわたって世界各国を遠征します。私はそのための計画や予算を組んだり、飛行機や宿の手配、車の運転なども行います。

山本:宿や飛行機の手配まで。

治部:そうですね。合宿はキッチン付きの宿泊施設を使うことが多いのですが、大人数が泊まれる部屋を現地のエージェントと一緒に探したり、自分でネットで探したりします。飛行機の乗り継ぎも、選手に負担がかからないルートを考慮して予約したり。

「コーチ=技術を教える人」でもあるのですが、その前段階にある準備やサポートの方が仕事としては圧倒的に多いんです。

個人競技でもチームで戦う

山本:平昌五輪まではどのような体制でサポートされていたのでしょうか?

治部:主にコーチ3名、トレーナー2名、用具を調整するサービスマン2名、栄養士1名といった体制で、ソチ五輪からの4年間サポートしてきました。

スノーボードは個人競技であり、選手たちはプロ活動もしています。その集合体が代表チームなのですが、そこで私たちが何よりも意識したのは「チームで戦う」ということなんです。

山本:個人の力ではなく。

治部:ありがたいことに私自身、4大会連続でコーチを任せてもらっているのですが、トリノやバンクーバーでは、選手の個の力に頼りすぎていた部分があったと思います。

当時、多くの選手が国際大会で実績を残していたのですが、五輪ではふだんのパフォーマンスを出せなかった。ただでさえプレッシャーがかかる五輪で結果を出すには、選手の不安要素を少しでも取り除く必要があると考えたんですね。

そこでバンクーバー五輪が終わってからは、自然体で競技に臨ませる環境を準備するために、裏方がチームとして選手を支えることを強く意識するようになりました。

代表チームは大家族に似ている

山本:具体的にはどんなことに取り組んだのでしょうか。

治部:まずはコーチやトレーナー、サービスマン、栄養士などの裏方で、横の連携を強化しました。遠征中は毎日、スタッフ間でミーティングを行い、選手たちの情報を共有、蓄積していく。

代表チームは年に数回、1カ月間くらいの遠征を行い、総勢15人ぐらいで共同生活を送るんです。大家族というか、むしろ家族よりも一緒にいる時間が長いくらい。だからこそ、選手とスタッフが話しやすい空間を作ることも意識しました。

例えば、本来はコーチの私が選手に言うべきことでも、トレーナーからマッサージ中に言ってもらった方が伝わりやすいこともある。そういう場合は、トレーナーから話してもらったほうが、的確に情報を伝えることができるんです。

代表選手は16〜24歳と若い年代が中心なこともあり、調子や機嫌が日々変わることがあります。スタッフが連携すれば選手たちの些細な変化にも気づくし、みんなが選手に声をかけることで安心感の醸成にもつながっていると思います。

代表落ちした選手をコーチとして呼んだ理由

治部:平昌五輪では、バンクーバーとソチの五輪経験を持つ青野令がテクニカルコーチを引き受けてくれたことが、チームにとって大きかったですね。

もともと青野は、選手として平昌五輪を目指していました。2017年8月に開催された日本代表の選考に漏れてしまったのですが、そのタイミングで青野に就任を打診したんです。

山本:自分が落選したチームのコーチを引き受けるのは複雑そうです。

治部:確かに選手だったら、受け入れるのは難しいと思いました。でもチームの選手のことを考えると、選手目線でアドバイスできる青野は必ずプラスになると思い、無理を承知で話を持ちかけました。

もう一人のテクニカルコーチ、村上大輔もソルトレークとバンクーバーと2度五輪に出場している選手で、青野との2人体制で技術面とメンタル面をサポートできたのが大きかったです。

治部:私も選手時代に長野五輪を目指しましたが、代表入りには到底及びませんでした。今の選手が使う技ができるわけでもない。

だったら、専門性の高い技術の部分は、選手としての実績がある人がアドバイスしたほうが受け入れられやすいし、日本にはそれができる素晴らしい人材がいる。自分ができることには限界があるので、弱い部分は各分野のプロに任せればいい。

山本:会社のような分業体制ですね。

治部:スタッフには常に「どうやったらいいと思う?」と聞き、自分たちで考えてもらうようにしています。今のチームのあり方は、4度の五輪でコーチを経験できたからこそ、たどりつけた部分があります。

選手だけでなく我々スタッフも進化することで、次の五輪での金メダル獲得をサポートできればと思います。

山本:個人競技でありながら、チームで戦うという治部さんのお話は、広告主をバックアップする私たちの仕事に通じる部分があります。私たちも広告主の裏方として、常に進化していかなければいけない、と強く感じました。

イーエムネットジャパンは、SNS広告や検索広告を駆使して、お客様の課題を解決する外資系インターネット広告代理店です。お客様のビジネスを支える“裏方”として、広告運用をサポートします。

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