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W杯で渋谷に集まった人たち、本当にサッカーファン?

「位置情報」で分析してみたところ――。

サッカー・ロシアワールドカップに日本中が熱狂した6月。

コロンビア戦で見せた大迫選手のハンパないゴール、ブーイングのなかグループリーグ突破を決めたポーランド戦、優勝候補を本気にさせたベスト16のベルギー戦など、名場面を挙げればキリがない。

もうひとつ記憶に残るのが、東京・渋谷で日本代表の活躍に狂喜乱舞した人たちの姿だ。

ニュースで映像を観た人のなかには、「本当にサッカーファンなの?」「ただ飲んで盛り上がりたいだけでしょ?」と思った方も多いのではないだろうか。

そこで、位置情報データのプロに、あの日渋谷に集まった人たちを徹底分析してもらった。

松塚さんが執行役員ヴァイスプレジデントを務めるシナラシステムズは、位置情報データを活用したマーケティング支援会社。

通信キャリアの持つ位置情報と契約者情報を、キャリア外に出さない状態でマーケティング活用できる独自のシステムを開発し、1日で30億件以上にのぼる位置情報をもとに大衆の行動を可視化することに成功している。

通信キャリアが提供するWi-Fiスポットを活用して、店舗や街なかのWi-Fiスポットに接続(=検知)された情報から、街に集まった人の属性や行動傾向を分析する仕組みだ。

――本日はよろしくお願いします。早速ですが、分析からどのようなことがわかってきましたか?

松塚さん:よろしくお願いします。とても興味深いデータが見えてきました。

今回、ワールドカップで日本戦が行われた4試合(6月19日、24日、28日、7月2日)について、試合開始の1時間前から翌朝の始発5時までに渋谷に集まった人たちの属性を分析し、普段の渋谷(2018年6月分データ)と比較してみました。

まずは年齢構成比の興味深いデータ。6月24日のセネガル戦、7月2日のベルギー戦は「20代前半」の若者が突出して多い結果になりました。普段、男性は「20代後半」が最も多いんですが、この日は、時間に余裕がある大学生などが殺到したと考えられます。

――グループリーグ敗退の予想もあるなか、第1戦コロンビアとの試合に勝利したことを受け、「これいけるんじゃね?」という雰囲気が盛り上がったことで変化が生まれたのかも?

そうですね。勝利翌戦のセネガル戦とベスト8を懸けたベルギー戦が最も期待が高まっていたのだと思います。世の中の期待値とも合致していますね。ベルギー戦がセネガル戦より低かったのは、深夜3時キックオフという時間と、一度セネガル戦で盛り上がった人がそれで満足してしまったことが背景にあるのかもしれません。

――渋谷に集まった人たちに共通する属性はあったのでしょうか?

こちらも面白いデータが取れました。過去にサッカースタジアムで検知された人を「サッカーファン」と定義して、当日の全体に占めるサッカーファンの割合を調べてみたところ……実は普段の試合日と大きな変化が見られなかったんです。

これを男女別に見てみると、男性は普段よりもサッカーファンの割合がやや多い一方、女性は少なくなっています。女性のサッカーファンは試合当日は渋谷には来ないで、ほかの場所で観戦していたということですね。

――なるほど。増えた属性はありましたか?

はい。六本木など繁華街で深夜に1ヶ月3回以上検知されている人を「パーリーピーポー」と定義しているのですが、普段の渋谷が5%ほどなのに対して、試合日4日間はすべて普段の渋谷を上回っています。特にベルギー戦は約3倍に増えました。

そのほか、深夜にコンビニで検知されている「昼夜逆転コンビニ利用者」や、月に5回以上、深夜に検知されている「夜アクティブ・ピーポー」といった属性も試合日に普段の約1.5倍増加しています。

もともと夜行性の人、夜に盛り上がりたい人が渋谷に集まった結果、あのお祭り騒ぎが生まれたと言えそうです。

――深夜の試合だと、翌日仕事がある人は家から出たくなさそうですね。

ただ、帰宅時間の遅い人や「残業続きのビジネスパーソン」も普段より約1.4倍増えています。「仕事遅くなったし、ついでに残っちゃおう!」みたいなノリでしょうか。

――試合日の渋谷に増えた属性があれば、減った属性もあると思います。どのような傾向がありましたか?

世帯年収700万円以上の富裕層や、エグゼクティブ層といった、いわゆるお金持ち属性の人たちが減少していました。

ワールドカップの経済効果が215億円との試算もある一方で、経済効果のほとんどは自宅観戦のための消費で、若い人やパリピが増加した渋谷への経済効果は大きくなかったと言えるかもしれません。

――ここから何がわかるのでしょうか?

試合日に渋谷から減ったお金持ち層を逃さないためのビジネスが必要ということです。

位置情報を活用すれば、たとえば試合日に、お金持ち層のサッカーファンがどこに集まっているかを調べることも可能です。

こうした位置情報データからビジネスチャンスを発見できるので、企業にはぜひ活用してほしいと思っています。

松塚さんの分析から、ワールドカップの試合開催時の渋谷には、サッカーをネタに盛り上がりたいという“にわか”ファンが集結している可能性が高いことがわかった。

確かに、本当のサッカーファンならば、テレビでじっくり世界のスーパープレーを観たいし、何ならロシア現地で観戦したいはず。いま渋谷の「パーリーピーポー」にアンケートしてみたら、ワールドカップの名シーンをどれくらい覚えているだろうか。

他方、最後に松塚さんが話してくれた通り、街に集まる人々の属性データから新しいビジネスチャンスを発見するというのは、企業にとって夢のある話だ。

「秋葉原はアイドルオタクの聖地」「池袋と赤羽にいる人はほぼ埼玉県民」といったものは街のイメージでしかなく、企業は少ないサンプルのアンケート調査や担当者の勘に頼ってマーケティングをしなくてはならない。

そういった課題を位置情報データ分析で解決してビジネスを展開すれば、「そうそう!こんな店が欲しかったんだよ!」という反響が生まれるのではないだろうか。

シナラシステムズはソフトバンクとともに、オフラインプロモーションの送客効果を可視化する新サービス「REAL AUDIENCE MARKETING SUITE」を9月19日に開始する。

オフラインプロモーションに接触した顧客が実店舗に来店するまでの行動を可視化、分析できる。

位置情報データの分析によって街なかに眠るビジネスチャンスを発掘してみたい企業は、シナラシステムズをチェック!

※シナラシステムズでは、独自開発のシステムを携帯キャリア内に導入しており、データを携帯キャリア外に出す際は統計処理を行っています。

Images Courtesy of Getty Images