BuzzFeedの広告は記事広告ではありません

    ステマでも記事広告でもないBuzzFeedのビジネスを、中の人が解説します。

    「BuzzFeedってどういうビジネスモデルなの?」

    こういう質問をいただくことがあります。結論を言うと、多くのオンラインメディアと同じように、BuzzFeedも広告が主な収入源です。

    ただ、他のメディアでは広告を記事の冒頭や途中や末尾に挟み込んだり、上や下から広告が飛び出してきたり、「続きを読む」ボタンとか、記事をたくさんのページに分割してさらに広告を差し込んだりするのが一般的ですが、BuzzFeedではそのような形では広告を掲載していません。

    途中で広告を挟み込まないことで、どの記事も一ページで終わる、読みやすい形式を提供させていただいております。

    そのかわり、BuzzFeedでは「スポンサードコンテンツ」を提供しております。スポンサー(広告主)の名前を明記したコンテンツ(記事や動画)です。

    記事風に広告を作るスポンサードコンテンツという考えかたは新しいものではありません。そのものずばり記事広告だとか、タイアップだとか、雑誌や新聞など長い歴史があります。

    「つまりBuzzFeedは記事広告、タイアップを売ってるってこと?」

    この質問にうまく答えるのは、ちょっと難しいです。これまでの記事広告は、なにより広告であることが前提で、企業の伝えたいメッセージがあって、それを届けることが何よりの目的でした。広告なんだから、企業のメッセージがあって当たり前かもしれません。

    でも、そういう広告って本当に読まれるでしょうか。どれだけ企業のメッセージがあっても、記事としての魅力がなければ、すぐに読み飛ばされてしまいます。

    BuzzFeedのアプローチは、まずコンテンツありきです。読みたくなる記事が最初にあって、そこに企業がスポンサーとなり、広告としてのメッセージを少し追加する。だからスポンサードコンテンツと呼んでいます。ただ新しい横文字を使っているのではなくて、作り方が記事広告とは根本的に違うのです。

    そうした読みたくなるコンテンツを作り出すときに役立つのが、編集部側の知見です。編集部は日々、様々なテーマのコンテンツを、様々なスタイルで発信しています。そして、どのような読者がどのような記事を読み、シェアをしているかを学んでいます。このインサイトが、読まれるスポンサードコンテンツを作る際にも参考になります。

    「これまでの記事広告と違うとして、具体的にどう違うの?」

    はっきり言えば、BuzzFeedが読まれると思う形でスポンサードコンテンツを作っていきます。

    制作中に原稿の確認などはありますが、「ここでもっと企業のメッセージを加えて欲しい」といったリクエストには、あまりお応えできません。なぜなら、そういうリクエストに対応していくと、読まれない記事になってしまい、読者は楽しくないし、企業もメッセージが伝わらない、我々BuzzFeedも面白くないからです。

    ですので、こういうアイデアがある、こういう記事を書いて欲しい、もう原稿と写真はあるからウェブに載せて欲しい、という場合、BuzzFeedは正直あまり良い広告メディアではありません。

    反対に、BuzzFeedの編集記事をなにか気に入っていただいて、こういう読まれる記事の上で企業のメッセージも伝えられるのではないか、ということであれば、面白いものを一緒に作ることができるのではないかと思っています。

    「読まれる記事を作るって、広告メニューとしてどういう意味があるの?」

    まず、BuzzFeedのスポンサードコンテンツは、ご提供するビュー回数を保証しています。5万ビューなら5万ビュー、10万ビューなら10万ビュー、約束した回数がキャンペーン期間中に表示されるよう、BuzzFeedのウェブサイトや、FacebookやTwitterの広告など、さまざまな誘導枠を利用します。

    言い換えれば、読まれない、クリックされないスポンサードコンテンツを作ってしまうと、我々自身が保証ビューのお約束を守れず、困ってしまう仕組みです。

    また、この保証ビュー回数にはBuzzFeedが用意した誘導枠からのビューのみをカウントします。記事がシェアされ、拡散された結果のビューは含みません。こうしたビューはタダ、無料です。読まれる、シェアされるスポンサードコンテンツを提供できれば、読者も嬉しい、我々も楽しい、企業もそのぶんビュー数が増えると、いいことづくめなのです。

    さらに、そもそも論を言えば、ビューという単位についても、その意味を考える必要があります。極端な話、クリックして一文字も読まなく記事を閉じても1ビューですし、最後までじっくり読んでも1ビューです。

    読了率などの社内データを見ても、読まれるスポンサードコンテンツを配信することで、BuzzFeedでは同じ1ビューでも、一般的なメディアの記事広告よりブランド効果のある、価値ある1ビューをご提供できていると考えています。(ぜひ複数メディアでの比較調査などを実施してみたいですね!)

    面白くて読まれる広告を作りたい

    気付けば、オンライン広告はすっかり嫌われものになってしまいました。広告ブロッカーのようなツールも普及して、広告はスルーされるのが当たり前、だから余計に邪魔なデザインの広告が出てくる、という悪循環が生まれています。

    BuzzFeedはスポンサードコンテンツで、ちゃんと読まれる、面白い広告を提供したいと考えています。読まれる記事を作ることがなによりの土台で、そうすれば読者も楽しめるし、企業もメッセージを伝えられる、BuzzFeedも嬉しいという、三方良しなのです!

    「ところで……BuzzFeedの広告はネイティブ広告なの?」

    こうした記事形式の広告に対して「ネイティブ広告」という名前が使われることがあります。しかし日本インタラクティブ広告協会(JIAA)によれば、ネイティブ広告には、BuzzFeedの提供するようなスポンサードコンテンツだけでなく、広告主が制作するブランドコンテンツ、さらにそうしたコンテンツに誘導するための「枠」を含みます。

    つまり、BuzzFeedの広告はネイティブ広告の一種ですが、その中でもあくまで記事が主体の、スポンサードコンテンツであることを強調するため、ここではネイティブ広告という表現は控えています。