「箱根のフリーザ様」が今年も降臨 にゃんこスター踊る

    2018年は思わぬトラブルも

    第94回箱根駅伝の復路が1月3日に開催され、往路2位の青山学院大が東洋大を逆転し、史上6校目の大会4連覇を果たした。

    その箱根駅伝で、ある意味優勝争いより注目を浴びていた集団がいた。駅伝ファンにはすっかりおなじみとなった「箱根のフリーザ様」だ。

    「ドラゴンボール」フリーザの格好をしたコスプレ集団は2011年から、復路7区二宮の押切坂に毎年出現。テレビ中継のカメラに映り込み、パフォーマンスを繰り広げる様子がネットで人気を呼び、いまや箱根駅伝の一つの名物となっている。

    今年も例年通り押切坂に登場したフリーザ様一行。

    昨年は4人だったが、フリーザ様の一人はBuzzFeed Newsの取材に「第二形態は沖縄旅行に行きました」とコメント。今年はノーマルフリーザ2人、ゴールデンフリーザ1人という布陣で箱根の応援に臨んだ。

    2017年は4人体制だったフリーザ様

    フリーザ様御一行は9時30分頃、二宮に登場予定だとか #箱根駅伝

    戦力ダウンとなったフリーザ様たちをさらなるハプニングが襲う。昨年は壁に登ってパフォーマンスしていたのだが...。

    今年は壁が立ち入り禁止となってしまった。

    警備員に話を聞くと、昨年のフリーザ様たちの様子を知った警察から、箱根駅伝の主催者側に立ち入り禁止にするよう要請があったという。

    当日に立ち入り禁止を知らされたフリーザ様たちだったが「いいんです。我々は応援がメインなので」と沿道での応援に切り替えた。

    ランナーが来るまでの間、周りから絶えず記念撮影を求められていたフリーザ様たち。

    写真を撮ろうとするのは若い人だけでなく、年配の方も多く「会いたかった」と声をかける。

    こうしたファン一人ひとりに丁寧に対応していくフリーザ様。完全にスターである。

    いざランナーが坂を通り始めるとこの応援ぶり。左は昨年に引き続き参加したジャイアン。

    ちなみにランナーとの距離感はこんな感じである。


    昨年は「恋ダンス」を披露と、毎年トレンドのダンスを踊っているフリーザ様。今年の新作はにゃんこスターやバブリーダンスを踊った。

    箱根のフリーザ様、にゃんこスターも踊ってました。 #箱根駅伝

    他にも「子育て世代に向けてです」という戦隊ヒーロー「宇宙戦隊キュウレンジャー」のキュータマダンシング。

    箱根のフリーザ様の新作「キュータマダンシング」。#箱根駅伝 #キュウレンジャー

    同じ神奈川だからか、横浜DeNAベイスターズ・山崎康晃の応援でおなじみ「康晃ジャンプ」。

    箱根のフリーザー様。DeNAベイスターズの応援でお馴染み「康晃ジャンプ」 #箱根駅伝 #baystars

    定番のEXILE「ChooChooTRAIN」のくるくるする振り付けと多彩なダンスで、沿道の人たちを楽しませた。

    箱根のフリーザ様、#EXILE のチューチュートレインダンス #箱根駅伝

    一部で批判もある沿道のコスプレだが、ランナーにどう映るのか。

    2016年の箱根駅伝で復路の7区を走った稲田翔威さん(当時・順天堂大学)は以前の取材で「特に走りの前半だと『何かやってるな』とリラックスできます」とコスプレについて好意的に語っており、邪魔にはあまりならないようだ。

    フリーザ様たちの正体は普通のサラリーマン。応援する二宮が地元で、帰郷するタイミングでコスプレでの応援を始めた。

    いまや箱根の名物となっていることには「こんなになるとは思ってなかったです。二宮が盛り上がってくれればうれしい」と話す。

    遠方からわざわざフリーザ様目当てに二宮を訪れるファンもいる。

    「今年は岐阜と京都。北海道や新潟、秋田からお土産を持って来てくれた人も。遠くから来てくれる人が嬉しいし、二宮に来てくれる人が増えてよかったです」

    沿道での応援が終わると少し離れた場所に移動し、記念撮影タイムが始まった。

    着ているタイツは非常に薄く「超寒いです」というが、冬空の下、嫌な顔一つせず最後の一人まで丁寧に写真撮影に応じていた。取材中、周囲には笑顔が絶えなかった。

    最後は「お疲れ様でした」と気持ち良い挨拶とともに、実家へと戻っていたフリーザ様たち。

    地元・二宮を愛する男たちは、来年の箱根駅伝でも応援する予定だ。