【リオ五輪】「学校へ行こう」で校長に誓った五輪 少年は夢を叶え、金を目指す

    骨折から2度の手術を経て。

    体操男子の山室光史選手。小学生のときに誓った夢がある。

    2001年、小学6年生のときだ。当時の人気番組だった「学校へ行こう!」が、山室選手の母校である古賀第一小学校(茨城県)を訪れた。

    そこで撮影された「小学生の主張」。生徒が屋上に立ち、全校生徒に向けて自らの主張を叫ぶというコーナー。山室少年が登場した。

    進行役のV6から「なにか特技はある?」という問いに、「体操」と自信満々で答える山室少年。

    その場で、華麗な鞍馬の旋回を披露した。坂本昌行さんは「この子、本物だよ!」と興奮気味のようすだった。

    屋上に立った山室少年。力強く、叫んだ。

    「僕は体操をやっている。去年の11月の世界大会で優勝した。優勝したのもうれしかったけど、もっとうれしかったことは校長先生が『努力したから結果が出たのですね』と言ってくれました」

    「そんな校長先生も3月いっぱいで定年を迎えて、学校を辞めてしまいます。だから今日は、全校生徒でお礼を言いたいと思います。校長先生、今まで見守っていてくれて、本当にありがとうございました! 本当にありがとうございました! 2008年のオリンピックに必ず出ます!」

    当時の大賀校長との誓い。2008年の北京オリンピックには出られなかったが、ロンドンオリンピックに出場。見事、約束をはたした。

    その年、男子団体は金メダル奪還を目指していた。山室選手も決勝の跳馬で高難度技のロペスに挑む。しかし、着地で左足を骨折。結果は銀メダルに終わった。

    初のオリンピックで大怪我を負った山室選手だが、2度の手術を経て復活。4年前の借りを返すために、リオに向かった。

    団体総合で3大会ぶりの金メダルを目指す日本勢。団体総合、個人総合、種目別の決勝進出を懸けた男子予選では、エース内村航平をはじめミスが連発。山室選手も跳馬で尻もち、平行棒では落下と失敗が重なった。

    競技は続く。結果はわからない。小学生のとき、校長先生にかけてもらった言葉を思い出して欲しい。

    「努力したから結果が出たのですね」

    訂正

    古河第一小学校を古賀第一小学校とする誤記がありました。訂正しました。