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そのツイート、真実ですか? Twitterのスクショ拡散 その危険性

デマの片棒、担ぎます?

昨今、Twitterでスクリーンショットの拡散が多くみられるようになった。

スクリーンショット(以下、スクショ)とは、スマホやパソコンのモニターを撮影し、画像として保存すること。

近頃、拡散されるツイートは、スクショを添付したものが多くみられる。しかし、その裏には大きな危険性が伴っていることを知っておきたい。

ツイートのスクショは、改変できる

ここに、筆者のツイートとみられるスクショがある。

このスクショが事実かどうかわからぬまま拡散されたら、「BuzzFeedの記者が飲酒運転アピールwww」「通報しますた」となるのが末路だろう。

しかし、これは過去のツイートを改ざんしたもので、実際に投稿したものではない。開発者ツールで、書き換えたものだ。

プラグインなど一切使わなくても、ブラウザに付属してる開発者ツールでサイトのテキスト情報はいくらでも書き換えられるので、スクショは当てになりません。ご注意を。

先日、デザイナーの新井克哉さんが投稿した上記ツイートも話題を呼んだ。

新井さんは、BuzzFeed Newsの取材に答える。

「『Twitterでこんなこと言ってる人がいたよ! 許せない!!』『こんなツイート見かけたんだけどwww』など、スクショ付きのツイートを見かけない日はないと言っても過言ではないでしょう」

「しかし、そのツイート、本当に存在していたんでしょうか? みんなに見てもらいたいから、おもしろいから、という理由でRTする前に『なぜ公式のRTや引用RTではないのか』『なぜ発言元のURLがついてないのか』について考えてみましょう」

「スクリーンショットは画像加工ソフトを用いることで簡単に改変ができてしまいますし、ブラウザの表示内容を書き換えるだけなら画像加工ソフトすら必要ないということを紹介することで注意喚起ができるのではと思い、このツイートをしました」

詳細については、新井さんのブログで閲覧できる。

ツイートだけでなく、記事の改ざんも…

下記に、「【速報】BuzzFeed記者が、勤務中に昼寝www」という記事がある。

当然だが、これも実際に公開した記事ではない。しかし、このスクショだけがタイムラインに流れてきたら、本物の記事と思ってしまうだろう。

上記のツイート同様、HTMLを少しいじるだけで、簡単に変えることができる。ただ勤務中に昼寝はしているので、あながち間違いではないが。

10月21日、鳥取県中部で発生した地震の際には、下記の画像が拡散された。

NHKの記事と思ってしまう同画像も、デマである。

HTMLを書き換えたものか、画像加工ソフトで加工したものかは、定かではないが、このスクショは拡散され、「NHKしっかりしろwww」「落ち着けNHK」と実際にこの記事があったかのように、面白半分で一気に広まった。

熊本地震の際には、「地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれたんだが」とライオンが街に徘徊する画像付きでデマが投稿された。

後に、熊本県警は、この投稿をした男を偽計業務妨害の疑いで逮捕している。

デマにどう対応すればいいのか

先述の「NHKがインド6弱」については、ニュースサイト「ねとらぼ」がデマと報じた。また、BuzzFeed Newsも災害時などのデマに対応している。

個人では、ネット上の情報検証まとめ(@jishin_dema)などが監視、検証にあたっている。

もちろん、すべてのスクショがデマというわけではない。では、どう対応すればいいのか? ポイントをまとめてみる。

・事実かどうか分からないものを、むやみやたらに拡散しない

・記事のURLがついていないもの。公式アカウントの情報ではないものは疑う

・URLがついている場合は、リンク先を確認する

冒頭で行ったツイートや記事の改ざんは、一時的にしか行えない。ツイート自体、記事自体を書き換えることは、まず不可能だ。

新井さんも、下記のように話す。

「開発者ツールはその名の通り、WebサイトやWebアプリケーション開発に役立つ便利なツールです。自分が使うかどうかは別として、こんなことをできるツールが身の回りにあるということは知っておく必要があるでしょう。自衛のためにも捏造ツイート拡散に手を貸さないためにも」

デマ拡散の片棒を担がないためにも、スクショの拡散には注意が必要である。

あなたが拡散しようと思ったそのツイート、真実ですか?