「R25」買収したサイバーエージェント オリジナル記事に力入れつつ、キュレーションメディアは継続

    著作権問題やパクリ記事で問題視されていた。

    インターネット広告代理店大手のサイバーエージェントは3月31日、フリーペーパーとネットメディア「R25」を運営してきたメディア・シェイカーズの全株式をリクルートホールディングスから5月1日付けで譲り受けることで合意したと発表した。

    R25は、2004年に「30歳前後のビジネスマン向けフリーマガジン」として創刊。東京や千葉、埼玉、神奈川の駅や飲食店、書店などで無料配布を開始したが、2015年7月に休刊。

    その後「web R25」のブランドを「R25」に統合し、スマートフォンを軸にしたメディア事業に刷新していたが、収益が伸び悩み、4月28日に「R25」をはじめとするすべてのサービスの終了を発表していた。

    サイバーエージェントは、メディア・シェイカーズのコンテンツ制作ノウハウを活かし、2017年夏までに新メディア創刊を予定している。

    問題のキュレーションメディアは継続

    サイバーエージェントは2つのキュレーションメディアを運営している。ニュース&エンタメメディア「Spotlight」と女性向けメディア「by.S」だ。

    昨年発覚したIT大手DeNAが運営するキュレーションメディアの著作権問題や低品質コンテンツの問題。

    その流れを受け、複数のキュレーションメディアは一部の記事を非公開にしたり、削除したりした。「Spotlight」と「by.S」も一部を非公開にした。

    また、フリーライターのヨッピーさん(@yoppymode)は、Spotlightに大量の“パクリ記事”があることに気づき、数ヶ月かけて証拠を収集。弁護士に相談し、現在もサイバーエージェントと交渉を続けている。

    spotlightの情報開示請求のやつ、マジで全然音沙汰無いからひと月前のメール晒しておこう。弁護士さんの名前で請求かけてるから僕に回答出来ないっていうのはしょうがないけど、代わりに案内されたのが普通のサポート用の代表窓口っていう… https://t.co/h0E9XiZzRq

    ▲Spotlight編集長の渡辺将基氏とのやり取りを公開した

    また、現在は削除済みだが、BuzzFeed Japanの記事もSpotlightに何件か盗用されていた。編集部宛に許諾申請の連絡はなかった。

    その渦中で起きたコンテンツ制作のノウハウを持つメディア・シェイカーズの買収。今後、キュレーションメディアはどうなるのか。

    BuzzFeed Newsの取材にサイバーエージェント広報担当は「2つのメディアは引き続き継続」と述べた。また、新メディアの編集長については「未定」と述べている。