なぜ、DeNAは著作権問題で批判の的だった人物を採用したのか 南場会長の思いは

    著作権侵害を疑われたサイト運営者を採用していた問題に答えた

    根拠が不明確な医療情報を掲載していた「WELQ」などキュレーションメディアを運営していたDeNAは12月7日、東京都内で南場智子会長、守安功社長などが出席した記者会見を開いた。

    別のネットメディアで「著作権侵害をしている」「コンテンツをパクっている」と指摘され、炎上した人物を、DeNAはその事実を知った上で雇っていた。

    この問題について、DeNA側はどう考えているのか。BuzzFeed Newsの質問に答えた。

    守安功社長は「著作権に対する認識が甘いと指摘されてもしょうがない。著作権者に対する配慮を含めて、認識が甘かった」と責任を認めた。

    南場智子会長は、採用の際にその点が議論になったことを明らかにした。

    「経営会議でも議論になった。その場に私もいた。そのような問題を過去に起こしたことがある、非常に若い人物であるということだった。私どもとしては、このような問題を起こしてはいけないと思っている」

    それでも採用を決断した理由を、こう説明した。

    「この若者がネット上で炎上して、大反省をしていて、すでにお詫びをしていることであれば、もう1回チャンスを与えてみようじゃないかということで、私にあわせてくれないかと発言した。その人物にも会い、確認したところだった」

    しかし、最終的にはDeNAのメディア事業全体が、著作権や不正確な記事について責任を問われる事態となった。

    「大きな間違いを起こしたものに再度チャンスを与えるということは安易に決めていない。経営会議でも大きな論点になり侃々諤々、議論した。採用したあとに教育ができたのか。結果として、同じような過ちを当社が犯した。私どもの認識の甘さだった」