ビル・ゲイツがお薦め夏の必読書5冊 あの日本人経営者の本も

    億万長者の本棚

    Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏が5月17日、この夏の読書にお薦めの5冊をブログに投稿した。

    その中の1冊は「競争力」(講談社)。楽天の三木谷浩史社長とその父・ 三木谷良一さんの共著で2013年に出版された。翌年に英語版も出た。

    ゲイツ氏はこう薦める。

    「最初に訪れた30年ほど前から、日本びいきだ。なぜ、1980年代に絶大な力を持っていた日本企業は韓国や中国のライバルに負けたのか。復活できるのか。それらが、2013年に亡くなった経済学者・良一氏とその息子・浩史氏の対話の中心だ。浩史氏の提言に完全に賛成するわけではないが、いいアイデアがたくさんある。素晴らしい国の将来をよく見通している」


    日本語で読める本がもう一冊。

    ジョーダン・エレンバーグの「データを正しく見るための数学的思考」(日経BP社)

    「数学者で作家のエレンバーグは、日々の生活で我々が意識することなく、どう数学が役に立っているか説明している。各章は、選挙やギャンブルといった簡単なトピックで始め、数学の話に入る。非常に難しくなるところもあるが、読者がついてこれるようにまとめがある。エレンバーグがいうように、この本の大きなポイントは『数学とは、一度、炎に触られてから、理性に縛られるもの』で、我々みながいつでも数学をしているとも言えるということだ」


    次はSF小説だ。

    ニール・スティーヴンスンの「セブンイブ(Seveneves)」

    「ここ10年、SFを読むことはなかった。友人が薦めてくれてよかった。月が爆発するという最初の文から筋書きは始まる。人々は2年以内に、隕石がふり注いで地球上の生命が死滅すると知り、宇宙船をできるだけ多く打ち上げることで人類を存続させるという計画のもと、世界が協力する。技術的な詳細部分が面白かった。この本のおかげで、またSFを読むことになりそうだ」


    そして、科学には関心が高いよう。

    ニック・レーンの「生死に関わる問題(The Vital Question)」

    「ニックは『もっと多くの人がこの人の本を知るべきだ』と言いたくなるような独創的な思想家の一人だ。科学的な誤りを正し、すべての生物でエネルギーが果たす役割を教えてくれる。エネルギーの働きを理解することによってのみ、生命の始まりや複雑性を理解できると彼は主張する。ニックの研究の詳細が間違っていたとしても、彼がエネルギーに焦点を当てたことは、我々の起源を理解することへの偉大な貢献となるだろう」


    最後には人類の歴史を扱った本をあげた。

    Noah Yuval Harariの「サピエンス:人類の略史(Sapiens: A Brief History of Humankind)」

    「(妻の)メリンダもわたしもこれを読み、夕食で素晴らしい会話をするきっかけになった。Harariは難題に挑む。400ページで人類の歴史を語ることだ。今日の人類について、人工知能や遺伝子工学、その他の技術がどう未来の我々を変えるのかについても取り上げる。同意しないところもあるが、人類の歴史や未来に興味がある人にお薦めする」

    9月ごろ、河出書房新社から「サピエンス全史(仮題)」として邦訳が出る予定。

    ゲイツ氏はこんな動画もつくって5冊を紹介している。

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