親子全員がハーバードの超エリート オバマ大統領長女が取る「ギャップイヤー」とは

    そして、日本では?

    ホワイトハウスは5月1日、オバマ大統領の長女マリアさんが1年間のギャップイヤーをとって、2017年秋にハーバード大学に進学すると発表した。

    進学先をハーバードに決めたという噂は4月30日、「Harvard 2020」とロゴの入ったTシャツを着たマリアさんの写真がThe Tabに載ってから、広がっていた。

    オバマ大統領と夫人もハーバード法科大学院を卒業している。

    ホワイトハウスは、マリアさんがギャップイヤーにする活動を明らかにしていない。

    マリアさんは映像への興味を示してきた。New York Timesによると、HBOのテレビドラマ「Girls」でインターンをし、スピルバーグ監督のテレビドラマ「Extant」では制作アシスタントを務めた。

    オバマ大統領は昨年、同紙に対して、進学先選びのアドバイスをしていると語っている。

    「最も重要なことは、ぬるま湯につかってないで、これまでに会ったことのないような人たちと出会い、考えてもみなかったようなクラスをとることだ」

    で、ギャップイヤーってなに?

    大学入学を猶予してもらったり、入学後に休学したりして、ボランティアやインターンから留学まで様々な活動をする期間。成績が上昇する効果も報告されている。卒業後、就職までの期間を指すこともある。

    ハーバード大はギャップイヤーを取ることを推奨。毎年80〜100人が入学を延期している。

    日本のギャップイヤーはどうなってる?

    国の検討会議は、国際教養大や東京大などで「日本版のギャップイヤーの試みが始まっているが、参加できる学生はごくわずか」なうえ、自主的に休学して留学やインターンシップをする学生は「かなり少数ではないか」と推計。

    海外留学の減少やインターンシップ機会の少なさもあいまって、「若者達が日常生活を飛び出して、様々な経験を積む機会が量的にも質的にも不十分ではないか」と指摘する。

    なぜギャップイヤーは広がらないのか?

    検討会議では「留年してしまう」「就職につながらないおそれ」「遊んでしまう」「家族の反対」などが指摘されていると紹介する。

    「学生が全て自主的に行うギャップイヤーだけでは、拡大は容易でない」ため、大学がプログラムを提供するギャップイヤーの導入を提案した。

    つまり、学生が自ら学外活動に挑戦する期待は薄いため、大学側がプログラムを用意しようということだ。しかもその用意を国が助ける。

    国は2015年度から、大学など1校あたり最大2千万円の補助金を出して、1ヶ月以上の学外プログラムを開発してもらう事業を始めた。選定された12校は、入学猶予制度やクオーター制を導入したり、自主的な活動を正課のプログラムとして単位認定したりするという。