「愛国心」と「天皇国日本」が教育理念 「9割引」で国有地を買った小学校、名誉校長はあの人

    校長は日本会議大阪支部の役員。神道を基本理念に掲げ、「天皇国日本」という国家観を醸成しようとしている。

    学校法人「森友学園」が、大阪の国有地を近隣の適正価格の1割で購入していたと、朝日新聞が2月9日に報じた。4月にも、学園が運営する「日本で初めてで唯一の神道の小学校」が開校する予定だという。

    国有地の売却は「原則公表」のルールがあるのに…

    国有地の売却は「原則公表」のルールがある。にもかかわらず、財務局は「学園側から非公表を強く申し入れられた」として、豊中市議や朝日新聞の情報公開に応じていないという。

    朝日新聞によると、森友学園が2016年6月に購入したのは大阪府豊中市野田町の約8770平方メートルの国有地。朝日新聞の調査では、契約違反があった場合の買い戻し代金が「1億3400万円」で、売却額と同額とみられる。これは、近隣の土地の約10分の1の価格だ。

    激安で国有地を買った森友学園とは、どんな組織なのか。

    森友学園には、安倍政権の関係者や、改憲運動を目指す保守団体「日本会議」が関わっている。

    開校予定の学校の名前は「瑞穂の國記念小學院」。名誉校長は安倍晋三首相の妻、昭恵さん。校長を務める籠池泰典氏は「日本会議大阪」の役員だ。

    なぜ「森友学園」が格安で土地を購入できたのか。さらにその価格が非公表なのか。詳細は明らかにはなっていない。

    では、この小学校はどんな場所なのか。サイトの「教育理念」には「あえて出る杭となれ!」という標語とともに、こんなことが書かれている。

    * 天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ。伊勢神宮・天照大御神外八百万神を通して日本人の原心(神ながらの心)、日本の国柄(神ながらの道)を感じる。
    * 愛国心の醸成。国家観を確立。
    * 教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成(全教科の要)。道徳心を育て、教養人を育成。

    ここには、神道を基本理念に掲げ、「天皇国日本」という国家観を醸成しようとしていることが明確に示されている。

    そのほかにも、「日本人の心の中心である伊勢神宮からほど近い松阪の地ですくすく育った杉の木・檜をつかった木造伝統建築の校舎や和風装飾物・校庭木による日本人DNAの呼び覚まし」などと書かれている。

    その下部には、教育勅語も大きく掲載されている。

    9割引で買った土地に建つ小学校。その校長となる籠池氏は、海外メディアが注目した「塚本幼稚園」の園長でもある。

    この幼稚園のサイトには、こんな文書があった。