3月23日、国会で森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問が開かれる。国有地売買の経緯や安倍晋三首相、稲田朋美防衛大臣ら政治家との関わりなど、募る疑念は明かされるのか。注目が集まる。
この証人喚問の様子が中継されるのか、ネット上では一時物議を醸した。社民党の福島みずほ副党首が「テレビ中継されない」とツイートしたこともきっかけのひとつだ。
さらに番組表に中継予定が入っていなかったこともあり、NHKへの抗議を呼びかける動きも始まった。
3月22日昼過ぎになって番組表は更新され、中継がされることが明らかになった。「抗議が実を成した」との声もあったが、どういう経緯だったのか。
NHKの広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に「国会中継で番組を変更する場合は前日に発表するのが基本です」と語る。
「抗議があろうとなかろうと、もともとやるつもりで準備をしていました。これまでも証人喚問は中継しています。参議院に中継の申請をし、それが完了した時点で発表しています」
福島みずほ副党首の発言とは矛盾があるが、当初から予定していたものだという。
では、抗議の電話はどれほどあったのか。把握はしているのか。
「電話がどれほどあったのかは普段から公表していません。また、把握するもしないも、もともと中継をすると言っていた話ですのでコメントするところではない。淡々と自らの判断で決めております」
なぜ、福島副党首はそのようなツイートをしたのか。BuzzFeed Newsの取材に、秘書は「3月21日に参院予算委員会の理事会として国会中継の要請をしないと決まったため、ツイートをしました」と説明する。
「予算委員会などでは通常、アナウンサーの声や解説などを挟まずに国会中継をします。そういう形での中継は23日にないことがわかり、ツイートしたようです。けっきょく、政治部の記者などが解説やコメントを挟んだりする形での中継が開催されることになったと聞いています」
一方のNHKの見解はどうか。先出の広報担当者はこう語る。
「あくまでNHKとしては国民の視聴者にお伝えすべきだと自主的に判断して決めている。通常の国会中継となんら変わりはありません。ニュース『森友学園問題・参院予算委証人喚問』となって番組名が違いますが、やることは一緒です。記者の声や解説は入らないと思います」
証人喚問は参議院で午前10時から、衆議院で午後2時半から始まる予定だ。
各2時間ずつの予定で、各党各会派が順次質問をする。
NHKの中継は昼間の気象情報の時間帯だけ映らない可能性があるといい、広報担当者は「放送できない部分に関しても録画で流せれば。なるべくフルで、なるべく生で中継できるようにします」としている。