【相模原事件】障害者施設19人殺害、血が飛び散る凄惨な現場 家族が語った

    「無抵抗な障害者の寝ているところを襲うなんて、どうかしている」

    19人が死亡し、戦後最大級の大量殺人となった神奈川県相模原市の障害者施設襲撃事件。入所者の父親がBuzzFeed Newsを含む取材陣にその衝撃を語った。

    40代の長男が入居しているという家族会副会長の中塚清さん(73)。施設の前で報道陣の取材に応じた。施設から事件について知らせる電話が入っていたが気がつかず、TVニュースを見て、午前6時ごろに自宅のある相模原市内から車で来たという。

    施設の中に入ると、凄惨な状況だった。東棟への入り口や、西棟の廊下に血が飛び散ったあとがあり、 容疑者のものと思われる赤い足跡も点々と続いていた。

    「凄かったですよ」。眉間にしわを寄せ、両手を組み、神妙な面持ちで語る。

    長男は無事で、到着したときには朝食をとっていた。顔を見ると「コーヒーが飲みたい」と話したという。

    長男は20年近く入所しているが、中塚さん自身は加害者の名前に覚えがないという。「無差別でやっていることへの怒りはある」。冷静に淡々と話すが、加害者への思いを聞かれると、言葉に力がこもった。

    「無抵抗な障害者の寝ているところを襲うなんて、どうかしている」

    長男が無事だった安心感よりも、事件の大きさに胸を痛める。「友達の娘さんとかも、亡くなった人はいっぱいいますから」と伏し目がちに答えた。

    逮捕されたのは植松聖容疑者(26)。元職員と報じられているが、施設では過去、トラブルは聞いたことがなかったという。職員の人たちの対応はよかった。「若い人は入居者から好かれる」とも語った。

    取材陣から、施設の警備態勢や対応に課題はなかったのかという質問も出た。

    中塚さんは「一個人がやったことだから」と述べた上で「夜間は正門などは閉じられて施錠されているはず。若いから飛び越えたんじゃないか」と話した。