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MX「基地反対派に日当」報道を謝罪した東京新聞 出演の論説副主幹の見解は「社内に留め置く」

問題となっている「ニュース女子」のMCは東京・中日新聞の論説副主幹。東京新聞は謝罪を掲載した。そこに本人のコメントがなかったのはなぜか。論説主幹が取材に応じた。

「沖縄の基地反対派は日当を得ている」などと報じたTOKYO-MXTV「ニュース女子」。MCは東京・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏で、批判の高まりを受けて東京新聞は2月2日、1面に謝罪記事を掲載した。

ただ、記事には当の長谷川副主幹の見解やコメントは掲載されていない。なぜなのか。2月3日、深田実論説主幹がBuzzFeed Newsの電話取材に応じた。

まず、経緯を振り返る

問題となった番組は、1月2日放送の「沖縄・高江のヘリパット問題はどうなった?過激な反対派の実情を井上和彦が現地取材!」。化粧品大手DHCグループの「DHCシアター」が制作し、TOKYO-MXTVで放送している。

番組では、現地で基地建設への抗議活動をしている人たちに「のりこえねっと」が日当を支払っているなどという内容が報じられた。

「のりこえねっと」は放送に抗議。共同代表の辛淑玉さんは1月27日、放送内容は「事実に反している」「虚偽・不公正」と、BPOに人権侵害を申し立てた。

一連の問題は、BuzzFeed Newsや東京新聞などが他メディアに先駆けて指摘、報じていた。

ただ、論説副主幹がMCをしていたために、MXTVや製作の化粧品大手・DHC側だけではなく、東京新聞への批判も高まっていた。

東京新聞は謝罪

これを受け、深田実論説主幹は2月2日の朝刊1面で、「『ニュース女子』問題 深く反省」との記事を掲載。「読者の方々には心配をおかけし、おわびします」と謝罪した。

記事では、番組の内容が「本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なる」と明言。

「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません」などとし、長谷川副主幹が出演していたことについては、こう述べている。

他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します。

この問題に対しては、読者から「多くの叱咤の手紙を受け取った」という。ただ、長谷川氏の見解は一切掲載されていなかった。

なぜ、コメントは載っていないのか

長谷川氏本人のTwitterでも、この件に触れていない。SNS上では「なぜ肝心のコメントがないのか」「長谷川氏に弁明、見解を示してほしい」などという声が上がっている。

BuzzFeed Newsは記事が掲載された2月2日、東京新聞に対し、下記3点の質問を送付した。

  1. 番組に出ていた長谷川幸洋副主幹のコメントがないのはなぜか
  2. 記事の掲載にあたり、長谷川副主幹に事情を聞いたのか
  3. していないなら、その理由。したのなら、その経緯

その上で、長谷川副主幹へのインタビュー取材も依頼した。2月3日、改めて電話をしたところ、深田論説主幹が対応した。前日の質問事項は、深田氏の元まで届いていなかったという。

やりとりは、以下の通り。

ーー長谷川氏へのヒアリングはしたのか

「ヒアリングはしました」

ーー経緯や内容などについて伺うことができないか

「社内に留め置きたいと考えている。弊社の見解は昨日の紙面の通りです」

ーーなぜコメントがないのか、読者が望んでいるのでは

「あなたの想像の質問に答えられない。記事の通りということです」

ーー長谷川副主幹の取材依頼には応じられるのか

「応じられない」