鈴木紗理奈さんも被害に… 海外でパスポートを盗まれたらどうすればいい?

    もしもの時のために、知っておきたいこと。

    女優・歌手の鈴木紗理奈さん(40)がスペインでパスポートの盗難被害に遭い、帰国できないトラブルに見舞われている。鈴木さんは国際映画祭の授賞式に出席していた。

    鈴木さんは、自身が主演した「キセキの葉書」で「マドリード国際映画祭」の最優秀外国映画主演女優賞を受賞した。

    パスポートを盗まれたのは日本時間の7月15日午前9時半ごろ。授賞式の前のことだ。ツイートによると、ホテル内で盗難被害にあったという。

    防犯カメラには犯行の様子も映っていたといい、「プロの泥棒」「わたしの不注意。ずっと膝に抱えてなきゃいけなかった。日本とは違うし、ホテルの中やから気が抜けてた」などと投稿している。

    これにより、17日に鈴木さんの出演が予定されていた群馬県高崎市のライブは休演することになった。

    海外でパスポートをなくしたら、どうしたら良い?

    海外旅行中のパスポートは、自分自身がどこの国の、誰なのかを証明するために欠かせないもの。持っていなければ、その国から出ることすらもできなくなってしまう。

    外務省のホームページによると、鈴木さんのように盗難に遭うなど、パスポートがなくなってしまった際の手段は、2つある。

    現地の在外公館(日本大使館や領事館)で、「帰国のための渡航書」を発行するか、新しいパスポートを発行するか、だ。

    まず、警察などで証明書を発行しよう。

    上記どちらの手段にせよ、なくなったことを証明する書類を求められる。

    そのため、まずは現地の警察や消防(火事などの場合)に届け出を出し、紛失届け出証明書や罹災証明書などを発行してもらう必要がある。なお、この手続きに関しては、在外公館が助言をしてくれるので、不安な場合は相談しよう。

    また、いずれの手段にも2つの書類で写真が必要になる。規定されている「縦45mm×横35mm」のものを2枚用意しよう。手数料もクレジットカードや円払いはできないので、注意が必要だ。

    そのうえで、速やかに在外公館に足を運ぼう。なくなったパスポートは偽造される可能性があるため、できる限り早く失効しないといけない。失効すると、あとから見つかった場合でも使うことはできない。

    1.「帰国のための渡航書」を発行する

    すぐに帰国をしないといけない場合は、「帰国のための渡航書」の発行を受けることができる。鈴木さんもこの「渡航書」で帰国するという。

    警察などで発行した証明書に加え、「紛失一般旅券等届出書」(ダウンロード可能、写真が必要)を提出する。

    そのうえで、日本国籍があることを証明する書類も求められる。

    これは原則、6ヶ月以内に発行された戸籍謄本(妙本)のことを指している。旅先だから持ち歩いていないのは当然だろう。

    本籍記載のある運転免許証(住所のみは不可)や住民票の写しなど、日本国籍があることを確認できる書類でも可能としていたり、戸籍謄本(妙本)の原本を後日郵送する約束でFAXを可としていたりする場合もある。いずれにせよ必ず、事前に在外公館に相談することが大切だ。

    また、帰りの飛行機の便など、日程がわかる書類も必要だ。

    2.「新しいパスポート」を申請する

    在外公館では、新しいパスポートを発行することもできる。帰国ではなく、ほかの国に渡航するためには、この手段を採るしかない。

    ただ、これには必ず、6ヶ月以内に発行された戸籍謄本(妙本)が必要になる。

    警察などで発行した証明書に加え、「紛失一般旅券等届出書」を記入。日本から郵送などで取り寄せた戸籍謄本(妙本)と写真を提出し、さらに数日間待つことになる。

    なお、いずれの場合も、18歳未満や家族連れなど、個別のケースによって対応が異なることがある。パスポートがなくなった際は、まず在外公館に連絡をしよう。

    パスポートをなくさないために

    前述の通り、パスポートがなければ帰国もできないし、旅行が複数の国にまたがる場合は日程を変えざるを得なくなってしまう。自分のパスポートが、国際犯罪に悪用される可能性だってある。

    外務省はホームページで「日本にいるのと同じ感覚で行動し旅行中に盗難の被害にあう例が多い」としている。

    そのうえで、「パスポートを上着内ポケット等に入れる」など、しっかりと身に付け、観光地や交通機関、ショッピング街では特に細心の注意をするよう呼びかけている。

    実際、首からぶら下げるタイプや、ウエストポーチタイプのパスポートケースが販売されている。安易にバッグにいれておくのではなく、そのようなグッズを活用してみよう。