銀座の反韓デモでDJポリスが「反ヘイト」を呼びかけた 対策法で新たな動き

    「差別的言動の無い社会の実現に、みなさんのご協力をお願いします」

    日曜日の銀座にはためく大量の旭日旗、そして「日韓断交」の幟旗。

    東京・銀座で6月19日の夕方、「日本大使館前売春婦像撤去要求デモ in 帝都」と銘打ったデモが開かれた。

    100人は優に超える警察官が、警備にあたる。デモ隊が行進する道の交通整理と、デモ隊と「反ヘイト」を訴えるカウンター側との衝突を避けるためだ。

    騒然とした雰囲気のなか、デモ隊は約1時間にわたって行進を続けた。

    DJポリスが「反ヘイトスピーチ」を呼びかけ

    デモは「在日特権を許さない市民の会」(在特会)関係者が主催しており、50人以上が参加。旭日旗や日の丸がはためくなか、「日韓断交」「我々は日本の名誉を守るために戦うぞ」などの主張を繰り広げた。

    そんなデモで印象的だったのが、「DJポリス」によるこんな呼びかけだ。

    「法律に基づき、国民は本邦外出身者に対する不当な差別的言動の無い社会の実現に寄与するよう努めなくてはなりません。みなさんのご協力をお願いします」

    デモ隊のシュプレヒコールにかき消されそうな声ではあるものの、警視庁が明確に「ヘイトスピーチ対策法」に基づいた「協力」を呼びかけている。これは、5月24日にが対策法が成立して以降の新しい動きだ。

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    現場の警察官はBuzzFeed Newsの取材に対し、「法律が制定したから、このような呼びかけを始めている。その効果かはわからないが、ヘイトと言えるような言葉は聞こえなかった」と語る。

    確かに、現場でデモを見ていても、「歴史の捏造」「慰安婦像撤去」「対日ヘイト」などと言葉が繰り返し叫ばれる一方で、在日コリアンの人たちの排斥を訴えたり、直接的に侮蔑、傷つけたりするような過激な言動を聞くことはなかった。

    「銀座はヘイトを許さない」

    カウンター側は、おのおのが「銀座の街はヘイトスピーチを許さない」「レイシスト帰れ」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて、デモに抗議した。

    大勢の警察官がカウンターとデモ隊の間に立ちふさがった。双方がぶつかり合うことはなかったが、「なんでヘイトスピーチを許すんだ」と警察官に詰め寄るカウンター参加者もおり、銀座の街にはしばし、混乱が広がった。

    銀材界隈を周遊したデモ隊は、日比谷公園で解散。「素晴らしいデモ行進、我々の勝利が見えました」などと主催者が訴えると、カウンター参加者たちからは「帰れ、帰れ」とコールが湧き上がっていた。

    広がる対策法の効果

    ヘイトデモをめぐっては、川崎市で6月6日、「日本浄化デモ第三弾!」と称されたデモの集合場所となっていた公園の使用を、市が都市公園条例を根拠に不許可。デモ自体も開始数百メートルで中止に追い込まれた。

    また、同じ日に渋谷で開かれた「反日本共産党デモ」では、警察官がやはり、デモ隊に「不当な差別的言動のない社会」への協力を呼びかけている

    5月に成立した「ヘイトスピーチ対策法」は、ヘイトを直接規制したり、罰する規定のない理念法だ。しかし、その効果はじわじわとでている。