民進党の蓮舫代表が国籍法について語ったこと 「守るべきだと思う」。でも…

    蓮舫代表は、臨時記者会見で、複数の資料を公表して台湾籍を有していないと説明した。

    民進党の蓮舫代表は7月18日夕、党本部で臨時記者会見を開き、日本国籍と台湾籍の「二重国籍」について、台湾籍を離脱したとする証明書など複数の資料を公表し、台湾籍を有していないと説明した。

    東京都議選で、前身の民主党時代を含む過去最低の大敗を喫したことを受け、党の一部からは「二重国籍問題をはっきりさせるべきだ」などと意見が出ていた。

    会見で何を語ったのか。

    蓮舫代表は、1967年に日本で生まれた。亡くなっている父が台湾出身で、母は日本人で、17歳だった1985年に日本国籍を取得した。

    政治家になってから、台湾籍について問題が指摘されることはなかったが、2016年9月の党代表選を前に「二重国籍」について指摘された。

    日本では、国籍法第14条によって二重国籍は認められていない。蓮舫代表は、22歳までにどちらかの国籍を選ばなければならなかった。

    指摘を受け、「台湾籍は有していない」と蓮舫代表は否定したが、その後、国籍が残っているとわかり「記憶が不正確だった」と訂正して謝罪。10月に日本国籍の選択宣言をしたと表明した。

    一連の説明は、二転三転したために多くの批判を浴びていた。

    トレードマークの白いジャケットを着て、会見で報道陣を前にした蓮舫代表は、謝罪した。

    「私の記憶によって説明があやふやになってしまったことは申し訳なかった。日本国籍を取得して以降、国籍についてもっと関心を持って勉強して、確認する行動を取るべきだったと反省しています。自分の不確かな記憶で説明したことも謝罪したい」

    会見で公表されたのは、「2016年10月7日」と日本国籍の選択宣言日が明記された戸籍謄本の一部、台湾籍を離脱したとする国籍喪失許可証書など複数の資料だった。

    なぜこのタイミングでの公表だったのか。蓮舫代表は「家族の了解が得られた」としてこう語った。

    「一貫して慎重だったのは、子供が未成年だったということ、特に選択宣言の日付が記載されたページが子供に関する記述であったことがとても大きいです」

    「私は民進党の代表で、野党第1党の党首として、私の発言の信頼が揺らいでいることがあってはいけない。何よりも現政権に対して強く説明の責任を果たすように求める立場であることを勘案した」

    「戸籍で示せという強要がない世界を」

    その上で、蓮舫代表は「こうした開示は私で最後にしてほしい」とも訴え、こう述べた。

    「これを他者に当てはめたり、前例とすることは断じて認めることはできない」

    プライベートな情報が載った戸籍謄本などの情報を示すことは、「出自に関する偏見や差別を助長することにつながる恐れがある」などとの懸念があるからだ。

    「すべての国民は法のもとに平等だ。人種や性別、社会的身分で差別をされてはいけない。親や本人、子どもの国籍、髪や肌の色や、名前など日本人と違うところを見つけて、違わないということを戸籍で示せという強要がない世界をしっかりと作っていきたい」

    国籍法について語ったこと

    会見では、報道陣からの多くの質問が飛んだ。毅然とした態度で対応する蓮舫代表の顔は、強張ったり、笑みが浮かんだりする場面もあった。

    「日本が嫌いになったことはないか」と問われ、「大好きですよ、日本は」と答えた蓮舫代表には、「日本の首相になった場合、国益のために動くのか」との問いもあった。

    「愚問だと思います。日本人のために、日本の子供たちのためにいい日本を残したい、と思って政治家になっています。迷うことなく我が国の国益を考えます」

    蓮舫代表がそうであったように、複数の国籍を持つ人が国内に多くいるのが現状だ。それを認めない国籍法をいま、どう思うのか。どうなってほしいと思うのか。蓮舫代表は、最後にこう締めくくった。

    「現行法において、二重国籍はどちらかを選択する制度になっているので、守るべきだと思います。しかし、国際的な社会になろうとしている時代において、それが合わないのであれば、改正しなければならないと思います」