政治家の「記憶にない」発言は、帝国議会から当たり前? 決まり文句は通用しません

    当時の流行語になった元祖の発言は40年前

    築地市場の移転について問う東京都の石原慎太郎元知事からの回答は、「記憶にない」だった。小池百合子知事は静かに苛立った。

    「記憶にない」はいつから当たり前なのか。過去を振り返ってみたい。

    1.国内最古の政治家による「記憶にない」発言は、故・和田博雄元農林大臣?

    帝国議会時代の1946年9月の衆議院の委員会で、和田元農林大臣は「どういう言葉で正確に表現しましたか、一寸私記憶にないのであります」と述べた。

    議事録によると、「事業は強力な政府の政治力によってやる」と演説で語ったことがあったといい、言葉の意味を問われて答えていた。言葉の表現は難しい。

    2.「記憶にございません」を流行語にさせたのは、実業家の故・小佐野賢治氏。

    3.法廷で裁判長に呆れられた元兵庫県議・野々村竜太郎氏。

    4.放射能についての発言を指摘された丸川珠代五輪担当相も、記憶をたどった。

    5.記憶に新しいのは、やっぱり舛添要一元都知事。

    人間なら忘れることもあるが、あまりに度が過ぎると、世間からお叱りを受けそうだ。誰もが「功績を無になさらないように」。