【加計文書】「官邸の最高レベル」との言葉が「あったのだろう」と松野文科相 内閣府も調査へ

    安倍晋三首相は「働きかけているというのなら、証拠を出してください。そうだったら、私は責任をとりますよ」と明言していた。

    学校法人「加計学園」の獣医学部の新設をめぐる問題。「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書について、再調査をした文科省は6月15日午後、19の文書のうち14の文書が、省内の共有フォルダや職員の個人フォルダなどに確認できた、と発表した。

    松野大臣「そういった発言があったのだろう」

    残る5つの文書のうち、2つの文書は確認できず、3つは「法人の利益に関わるもの」として、現在は存否を含めて公表できないとした。

    省内で文書の存在が明らかになったことで、「官邸の最高レベルが言っている」が事実かどうかが問われる。松野博一大臣はこう語った。

    「ヒアリングを行った結果、内閣府の職員から、この種の発言があったと文部科学省の職員は考えている。メモが作成された以上は、その場において、そういった発言があったのだろう。具体的な話があったわけではないので、真意についてはわからないという結果を得ている」

    松野大臣は、調査方法について批判を浴びた前回調査を「合理的な調査」としつつも、確認できなかった文書の存在が明らかになったことから、こう陳謝した。

    「結果として、前回調査の対象以外の共有フォルダにおいて、文書の存在が確認されるなど、前回確認できなかった文書の存在が明らかになったことは大変申し訳なく、私としても、この結果を真摯に受け止めている」

    「働きかけあれば責任とる」と明言した安倍首相

    安倍首相は2017年3月、国会答弁で問題について、次のように明言している。

    「働きかけているというのなら、証拠を出してください。そうだったら、私は責任をとりますよ。当たり前じゃないですか」

    それに対し、民進党の宮崎岳志議員は6月5日、「働きかけが証明されたら責任はどうとるのか」と質問した。だが、安倍首相は別の説明を始め、「質問に答えるよう」委員長から注意される場面もあった。

    そして安倍首相はこう「責任」について説明した。

    「私の責任をとる。中身については申し上げる必要はない」

    文書の存在が文科省から明らかにされたことで、民進党など野党は追及を強める構え。国会会期末は18日であり、国会審議の時間は残りわずかだ。与党はこの問題の幕引きを狙うと見られている。

    日経新聞によると、結果を受け、山本幸三地方創生相は、内閣府でも追加調査を実施する方針を示し、「今晩中にやってあす発表したい」と話した。この調査結果にも注目が集まる。


    BuzzFeed Newsでは、この問題について【「総理のご意向」文書の存在ではない 問題の本質は別にある】という記事も配信しています。