「RhマイナスAB型の血液の方を探しています。福岡県の大川に住む高校球児の血液が足りません。佐賀の病院に入院していますが、採血して3日以内の、新鮮血が必要です」(原文ママ)
こんな文言が、TwitterやFacebook、ブログで10月12日頃からシェアされている。
日本赤十字は10月12日、「現在AB型のRh(-)の血液が不足しているといった事実はございません」と発表した。しかし、献血を促す文言は18日になってもシェアされ続けている。
佐賀県赤十字血液センターはBuzzFeed Newsの取材に対し、「年間を通して、医療機関にはAB型のRh(-)の血液が必要な患者がおり、日本赤十字は十分な血液を供給しています。そのため現状、(シェアされている文言にあるような)特定の人に対して血液の不足をきたすようなことはありません」と明言した。
SNSユーザーの中には、「血液の保管期限が短いから、早く献血したほうがいい」と危機をあおる人もいる。これに対して、佐賀県赤十字血液センターは次のように説明した。
「AB型のRh(-)型よりも稀な血液型の人もいます。そういった場合には、医療機関から事前に連絡をもらい輸血の予定日を確かめた後、血液型情報の登録者の中から患者の血液型に適した人に連絡を取り、献血にご協力いただいています」
患者の家族や知人は、不安を紛らわすために、SNSで不特定多数に献血をお願いすることもあるかもしれない。周りの人々が善意とはいえそれを闇雲にシェアすると、現場に余計な混乱を招く恐れがある。
何より、必要な人には、日本赤十字から献血のお願いがあるはずだ。
シェアされている文言
現在、Yahoo!リアルタイム検索の結果を見る限り、次のような文言がFacebookで積極的に拡散されている。
SNSでシェアされている文言にはいくつかのパターンがあり、最も目立つのは次の内容だ。(名前、メールアドレスは伏せた。)
シェアではなく、コピー&ペーストのご協力宜しくお願い致します。
【緊急拡散希望】
子供の命を救って下さい。
RhマイナスAB型の血液の方を探しています。
福岡県の大川に住む高校球児の血液が足りません。
佐賀の病院に入院していますが、採血して3日以内の、新鮮血が必要です。
なんとか子供の命を救いたいと 子供の親、親戚からの悲痛な叫びです。
皆様の温かいご協力をお願いします。
連絡先は下記↓↓↓
●●迄お願いします。
メールアドレス
●●@yahoo.co.jp
この情報を出来るだけ沢山の方に拡散をお願いします。
m(._.)m●●
※この記事は本当に拡めていただきたいので、シェアではなくコピー、ペーストして掲載していただいたらありがたいです。ご協力お願いします。
BuzzFeed Newsは10月18日午前、シェアされている文言に記載されたメールアドレスに連絡をした。
返信はないが、エラーメールは返ってきていないため、誰かに届いているはずだ。返信があれば追記する。
シェアされている文言には、こんなパターンもある。
★緊急通達★
子供の命を救って下さい(>_<)!
佐賀県内
又は福岡、長崎でもいいです。
どなたかAB型Rhマイナスの血液型の方を知りませんか?
私の同級生の親戚の子供が輸血が必要。
でもこの血液型が足りません。
なんとか子供の命を救いたいと子供の親、親戚からの悲痛の叫びです。
あなたの周りにこの血液型の方を知りませんか?
この情報をできるだけたくさんの人に拡散してもらえませんか?
何としても救える命を救いたいのです。
知ってる方がいたら教えて頂けないでしょうか
宜しくお願い致します。
該当する人は、Brast株式会社に電話下さい。
●●-●●●●-●●●●
担当:●●・●●
現地迄の交通費は
ミリオンクラブ代表●●が全額負担させて頂きます。ご協力をお願い致します!
文中にあるBrast株式会社とミリオンクラブは、代表者が同一人物である。
Brastの担当者はBuzzFeed Newsの取材に対して、「すでに該当者が見つかったため、受け付けを打ち切りました」と話した。
Brastの説明は、前述した赤十字側の説明とは矛盾する。
ただ、いずれにしても、これらの文言をこれ以上シェアする必要はないはずだ。
(サムネイル画像:時事通信)