新型コロナでYouTuberにテレワーク広がる。狙いは若い視聴者への注意喚起

    テレワーク系YouTuberのアバンティーズに話を聞いた。

    新型コロナウイルスの感染拡大を受け、複数人で活動するグループ系YouTuberに変化が起きている。

    同じ場所に集まり、そこで生まれるかけ合いが人気のグループたちが、相次いでテレワークを発表。ここ最近、それぞれの自宅から撮影する方法に切り替えているのだ。

    いずれも感染リスクを考えての判断だが、そこには若い視聴者に対する注意喚起の思いもあるという。

    若い視聴者に自宅にいる姿を見せる

    アバンティーズによる動画「テレワークYouTuberになります。」の1シーン。左上:リクヲさん、右上:そらさん、真ん中:ツリメさん / Via youtube.com

    「僕たちは23歳なんですけど、視聴者も同じ年頃の人が見てくれています。僕たち自身が会わずにビデオ会議ツールで動画を撮る姿を見せる。そうすることで、自分たちの動画を見てくれている視聴者にだけでも、家でも楽しめることがある、うちで過ごすことの大切さが伝わったらいい」

    そうBuzzFeedの取材に語るのは「アバンティーズ」のメンバー、ツリメさん。彼らは3月よりテレワークによる撮影を導入し、いち早く「テレワーク系YouTuber」と名乗ったグループだ。

    チャンネル登録者数は160万人。視聴者の多くは大学生や中高生で、若い世代から支持されている。メンバーのリクヲさんは、「だからこそ、僕らが率先して自宅にいる姿を見せるべきなんじゃないか。外に出れない状況でも楽しめる方法を、若い視聴者に提案できるかもしれない」と話す。

    テレワークを通して視聴者に注意喚起する一方で、アバンティーズは3月29日に投稿した最初のテレワーク動画で日本のYouTuberにもメッセージを発信している。

    「今、発信力のあるYouTubeクリエイターを中心に、COVID-19の感染拡大を防ぐ重要性を若い視聴者に伝え、正しい行動を身をもって示すことが必要だと思います」

    このメッセージについて、先出のツリメさんは「提案の意図が強い」と補足する。

    「日本のYouTubeのクリエイターってまだ僕たちくらいの若い人が多いから、若いクリエイターたちと一緒に『今だからこそできること』を発信できたら、(新型コロナウイルス)について考えてくれる人が増えるんじゃないかって」

    「知らない誰かを傷つけずに済む」それぞれの思い

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    「アバンティーズ」と同様の動きは、そのほかのグループ系YouTuberにも広がりを見せている。

    3月末から4月にかけて、「はなおでんがん」「ボンボンTV」「メジロイド」「QuizKnock」の4組が集合しての撮影をやめ、テレワークによって動画を撮影している。

    検証動画が人気の2人組「はなおでんがん」のはなおさんは、テレワークの理由について「僕たちにできることは動かずして待つことくらいです。でもそれは巡り巡って知らない誰かを傷つけずに済むことに繋がっていると信じています」と、Twitter上でコメント。

    東大発の知識集団「QuizKnock」の伊沢さんは、視聴者へのお願いとして「家を出ないと働けない、生きていけないという方もいるかと思います。(中略)そういう人を叩いたりむやみに批判したりということはやめましょう。感染した人が言い出しづらい環境になってしまうと思います」と、動画内で話していた。

    YouTuberには「声にできない思いを発信する力がある」

    ▲取材時のアバンティーズ 。Zoomで行われた / 真ん中:リクヲさん、左:ツリメさん、右:そらさん

    YouTuberの影響力は大きい。国内YouTuberの第一人者であるHIKAKINさんは4月10日、小池百合子知事と対談。

    「日本で若者の重症者は出ている?」といった素朴な疑問をぶつけ、Twitterでトレンド入りするなどの話題を呼んだ。動画の再生回数はすでに940万回を超えている。

    HIKAKINさんはその狙いについて、BuzzFeed Newsの取材にこう答えていた。

    「僕たち、YouTuberやインフルエンサーと呼ばれますが、若いひとたちに情報を届けられる立場なので、多くの方に正確な情報を届けることに使うべきだと思っています。そして自分の発信によって未来で一人でも助かることを祈っています」

    若い視聴者たちにも、そうしたYouTuberの訴えは届いている。たとえばHIKAKINさんの動画には「大切なことを発信してくれてありがとう」などのコメントが集まり、アバンティーズの動画にも「こうやって一人一人が意識して行動するのが1番大事」などという肯定的なコメントが寄せられた。

    アバンティーズのリーダー・そらさんは、日本のYouTuberの発信力についてこう話す。

    「YouTubeのクリエイターには、視聴者や世間の人たちが声にできない思いを発信する力があると思います。テレワークは、そういう思いを伝えていくためのスタート地点でもあります。もっといろんなYouTuberも、一緒に発信してほしいです」