アニメ「ポケットモンスター」の最新映画が、「最高傑作」と話題になっている。
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タイトルは「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」。
興行通信社によれば、7月13日(土)の公開から2日間で動員44万人、興収5億円を記録。動員ランキング2位に躍り出た。
そんな今作だが、長年のファンからも「最高傑作」と次々と高く評価され、大きな反響を呼んでいるのだ。
「間違いなく歴代最高傑作」
劇場版ポケットモンスター みんなの物語、視聴完了 色々言いたいことは山のようにありますが、一言だけ申すとしたら 「今までのポケモン映画のお約束や制作者のエゴ、こう作らなきゃ!という欲から解き放たれた作品に仕上がっていました」 間違いなく歴代最高傑作! #みんなの物語みて
「殻を破って新しいポケモン映画の形ができた」
今まで培ってきた様式美もポケモン映画の魅力だったのは絶対あるんだけど、縛りにもなってた殻を破って新しいポケモン映画の形ができたのはほんとよかったなーと…自由度が上がったっていうのも本当にそうで、これから暫くはかなり自由に作っていけそう
ツイートからわかるのは、これまでのポケモン映画とは何かが異なるということ。
一体、どのような点が変化し、最高傑作と評価されているのだろうか?
1. ポケモンバトルから人間ドラマへの変化
歴代の劇場版20作品を2回以上は鑑賞、ファン歴10年を超える咲子さん(@ryu_sakiko_)さんは、BuzzFeed Japanの取材にこう答える。
「『劇場版やTVアニメは、ポケモンをアピールすることが重要』という捉え方があります。そんな中、あえて『人間にとって彼ら(ポケモン)はどういう存在なのか?』と、問いを投げかてきた今作には、歴代にはない新しい風を感じました」
「『人とポケモンの共存』は、今作の根幹とも言うべきテーマの1つですが、ここまでダイレクトに人間側の視点で描かれたケースはほとんどありません」
これまでの劇場版では、伝説のポケモンや悪意を持つ者たちとのバトルが中心に描かれてきた。
過去のポケモン映画のポスター
しかし、今作のメインビジュアルには、ポケモンよりもサトシをはじめとした人間が中心に描かれており、ファンからは戸惑いの声も上がっていた。
▲「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」のメインビジュアル
実際、本編でも、1人1人の人間の葛藤が丁寧に描かれていた。
だが、それこそが今作が高く評価されている1番の理由でもある。初期からポケモン作品に慣れ親しんできた、ブロガーで書店員の潮見さん(@shiomiLP)は話す。
「今作は、これまでにないほどの人間ドラマが描かれています」
「おなじみのロケット団やちょっとした悪役も登場しますが、問題の根源はだれかの『悪意』ではなく、『コミュニケーションのズレ』や『自信の無さ』にあります」
「トラウマ、イップス、ホラ吹き、あがり症、人間不信など、他者と上手に向き合えなかった。あるいは、自分自身と向き合えなくなった人たち」
「そんな彼らが、ポケモンとの交流を通じて自ら発見する『人生との向き合い方』が、特に年長者をも巻き込んで広く支持されている、『歴代最高傑作』と呼ばれるゆえんではないかと思います」
2. サトシが一歩引いた存在に
ポケモンよりも、人間にフォーカスを当てた今作。タイトルに「みんなの物語」とあるように、多くの人物が登場するのも特徴だ。
咲子さんは、そんな人物たちを支える主人公 サトシの存在も、今作の魅力になっていると語る。
「今までの劇場版では、サトシとピカチュウが真っ向から困難に挑み、伝説のポケモンと対峙する、という流れが基本でした。
ただ、今作においては、リサたち(映画初登場の人物)の行動にサトシがフォローを入れながら物語が進行していくという、珍しいパターン。
そのため、初登場のキャラクターたちも丁寧に描かれていて、愛着も湧きやすい。いつも以上に物語をふかん的に、作品を隅から隅まで楽しむことができました。
主人公が一歩下がったポジションから自然とみんなを導いていけるようになったのも、21年の長い年月が生み出した成長の証なのではないでしょうか」
主人公のサトシが一歩引くことで、ほかの登場人物たちが際立ち、彼らの心理描写が細かく描かれる。
それが、これまでの劇場版にはなかった濃厚な人間ドラマを生み出した。
一方で、ポケモンたちもいつもと変わらず生き生きとするとした姿を見せ、物語の重要な存在であることは変わらない。
咲子さんは、最後にこう語る。
「公開前にささやかれていた『今作は地味』という声。これは実際に観ると、綺麗さっぱり払拭することができますのでご安心を。
1人1人のドラマにぜひ注目してみてください。時間を忘れてしまうほど、内容の濃い作品となっています」
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