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妄想が生んだ奇跡「主人公レンズ」を知っているか?

あらゆる場所が、一瞬でゲームのような世界に。

このレンズを通すと、なんてことない風景に、いないはずの「ナニカ」が現れ、自分だけの物語がはじまる。

Yuya Yoshida / BuzzFeed

これは「主人公レンズ」という、同人誌即売会「コミティア」で頒布されたレンズ型のキーホルダー。

製作者は、サークル「なかよしインターネッツ」のitopoidさん。

さっそく、散歩をしながら使ってみた。

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製作のきっかけになった2つの思いとは?

itopoidさん提供

製作者のitopoidさんは、アニメや漫画などの舞台となった場所を巡る「聖地巡礼」に関わる仕事をしている。

主人公レンズはitopoidさんが聖地巡礼に感じたある危機感が製作のきっかけだという。

「聖地巡礼が広がり出した当時は、アニメのキャラクターが出てくる場所へ実際に行き、『あのキャラクターがここでこういう話をしたんだ』と、自分でストーリーを考え、妄想を楽しんでいるファンが多かったです」

「今の聖地巡礼はキャラクターの看板が立てられたり、地方が協力的にファンをもてなす形が主流になっています。こうした形は、地方の人とファンのコミュニケーションが生まれるし、地方の活性化という文脈でとてもいいことだと思います」

itopoidさんは、こうして聖地巡礼が広がる中で、ある懸念が生まれたと語る。

「ただ、こうしてどんな人でも聖地巡礼が楽しめるようになった一方で、『もしかしたらそこにあったはずの物語がなくなってしまってるんじゃないか』と感じるようになりました。聖地となることで、もともとのアニメの舞台から変質しているという面がある」

「それによりファンが自らストーリーを作り出す、見つけ出す機会が減ってしまったんじゃないかと。舞台が聖地として自らを売り出すことにより、かえってその舞台でのキャラクターの生活の営みを想像するための余白が減っていると思います」

たしかに主人公レンズで風景を撮りながら散歩しているだけで、いるはずのない空想の人物を想像し、頭の中で1つの物語を作っている自分がいた。

「あなたの人生の主役はあなたです」

itopoidさん提供

itopoidさんは、続けてもう1つのきっかけを話す。

「『あなたの人生の主役はあなたです』『あなたの想像の中でしか生きられないキャラクターがきっといる』というキーワードが昔から頭の中にあって…」

「私自身がどうしても主人公になりたいと思っているし、さらに言えば、これは本当に押し付けがましいのですが、すべての人に主人公になって欲しいという身勝手な願望があります。『俺は主人公じゃない』という発言を聞くと悲しくなるんです」

「景色のいい場所だったりとか、特別な場所に行ってないから、『俺は主人公になれない』。そうじゃなくて、なんでもない公園だって、実は大切な思い出の場所だったりする。文脈次第で、あらゆる場所がエモくなる、『私が主人公になれる』可能性があると思うんです」

主人公レンズは、ARのようなデジタルではなくアナログ的なアイテムだったことも注目された理由の1つだ。

「情報を補完したり、追加したりする『拡張現実』としてのARではなく、人間の想像力を拡張するきっかけを作るという意味での『拡張現実=想像力』というのがあってもいいと思います」

itopoidさんはこの2つの思いを伝えるべく、主人公レンズを製作した。

コミティア前日に投稿した告知ツイートは3万リツイートを超え、頒布早々、全40種類があっという間に完売。

いまのところ、12月の「コミックマーケット93」での頒布や通販などは予定していないが、Webサービス版が公開されている。

UPDATE

Webサービス版が配信されたため、URLを追加いたしました。

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