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100万回のハグよりも… 新型コロナだけでなく、ワクチンで予防できる感染症にも注意を

なぜ、「100万回のハグよりも、2回のはしかワクチンを」というキャッチコピーが生まれたのか。担当者は「ハグを否定するものではありません」と語る。

「100万回のハグよりも、2回のはしかワクチンを」

そんな厚生労働省、文部科学省によるポスターがTwitterで話題になっている

このポスターを紹介するツイートには、「ワクチンすれば100万回以上ハグできる」「100万回のハグをするために2回のはしかワクチンが必要」といった反応が寄せられている。

「ワクチンの接種だけが、感染を防ぐただひとつの方法です」

話題となっているポスターは麻疹予防ワクチン接種を呼びかけるため、2013年に作成されたもの。

1歳になったら1回、小学校入学前の1年間にもう1回接種することを呼びかける内容だ。

麻疹予防について、ポスターでは以下のように説明がなされている。

「感染力の強いはしか(麻しん)は、空気を介して人から人へとうつるため、手洗いやマスクだけでは予防できません。ワクチンの接種だけが、感染を防ぐただひとつの方法です。十分な免疫をつけるためには、2回の接種が必要です」

麻疹は重症化した場合、入院を必要とする場合がある。時には思い肺炎や脳炎などを引き起こし、死に至ることもある。

妊婦が感染した場合には、早産や死産につながる恐れもあるため、注意が必要だ。

厚労省「ハグを否定するものではありません」

厚労省の担当者はこのポスターのキャッチコピーに込めた意図を以下のように説明する。

「麻疹という病気はワクチンを接種していただくことで感染を防ぐことができる病気です。保護者の方から愛情を注いでいただくという意味で、もちろんハグも大切ですが、同様にワクチンの接種も大切ですとお伝えさせていただく趣旨となっています」

このキャッチコピーに対し、なぜ「100万回のハグと2回のワクチン」という表現ではなく、比較する形となっているのかという批判も一部には存在する。

こうした点については、「もし、今作るのであれば、そうしたニュアンスに配慮したかもしれません」とコメントした。

「ハグが大切だということもわかっていますが、ワクチンというものの大切さをお伝えするため、あのような表記になったのだと推測します。ハグを否定するものではありません」

0歳〜3歳の子供に何十本ものワクチンを打たせようとする今のシステムは明らかにおかしいんです。 僕らが子供の頃と、比較にならないくらい打たせてるんですよ。この10年で知らないうちにすごい増えてる。 これは明らかに子供たちの健康よりも製薬会社の利権が優先されている。そんな話だらけだ近ごろ

Twitter

ネット上では、ワクチン接種に疑問を呈す言説も少なくない。

音楽家の三宅洋平さんも、「0歳〜3歳の子供に何十本ものワクチンを打たせようとする今のシステムは明らかにおかしいんです」と主張している。

こうした「反ワクチン」の流れのなかで、ワクチン接種を控えるという判断を下すケースも少なくない。

だが、ワクチンは感染を防ぐため、感染したとしても免疫をつけることで重い感染症になるリスクを避けるため、そして周囲の大切な人に感染させることを防ぐために重要なものだ。

NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」の調査では、小児用の肺炎球菌ワクチンやMR(麻疹・風疹)ワクチンの接種率が新型コロナが流行し始めた昨年12月以降に低下していることがわかっている。

日々の生活を送る上で注意しなければならない感染症は新型コロナウイルスだけではない。

予防接種室の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「現在、新型コロナウイルスの影響でワクチンの接種率が低下しています」とした上で、健康が気になる時だからこそ、予防接種と乳幼児検診は遅らせずに受けるよう呼びかけた。

合わせて、厚生労働省では「遅らせないで!子どもの予防接種と乳幼児検診」と題したリーフレットを作成し、情報を発信している。